June Bride
6月の花嫁。結婚生活の守護神ジュノーの月であることから、この月に結婚すると幸福になる―――広辞苑より
欧米では古くから6月に結婚すると女神ヘラのご加護を受けて生涯幸せに結婚生活を送れるという言い伝えがある―――ブライダル辞典より
ちなみに。守護神ジュノーと女神ヘラはそれぞれローマ神話とギリシア神話の神さまで同一視され、結婚や出産を司り、家庭や女性・子どもを守ってくれるそうな
June Bride
「いいねぇジューンブライド!やっぱり挙式あげるなら6月がいいな!」
「あぁ、6月に結婚すると幸せになるってヤツ?」
「そう!花嫁さんの憧れだよ」
「ふーん」
「ふーんて。反応薄くない?」
「だって私あんま興味ないし」
「えぇ!なんで!?」
「だって日本の6月なんて梅雨真っ只中じゃん。湿気で髪はうねるしせっかくのドレスは汚れやすいしんだよ?」
「う、まぁ、そうだけど」
「だいたいジューンブライドってのは欧米でってかヨーロッパでは6月が一番過ごしやすいからそう言われるようになったんだよ?」
「えぇ!?」
「んで、日本では特にやることなくて暇な6月にどうせならって稼ごうとして言うようになったらしいし?」
「うぅ」
「だいたい日本で一番過ごしやすいのは秋頃だから、昔からその頃にあげるのが多いんだよ?」
「…そうなんだ」
「…」
「…」しょぼん
「(分かりやすい位に落ち込んじゃって、面白いなぁ)…あんたとの結婚式ならいつでもいいよ、私は」
「!…そっか。へへ」
「笑いすぎ」
「へへへ。でも、じゃぁやっぱり6月にしようよ!」
「雨でもいいの?」
「大丈夫!おれ、晴れ男だから!おれ達の式の日は絶対に快晴だよ!」
「…。なら、6月でもいいよ」
「やった!」
夢見がちな男と現実主義な女のジューンブライド
本当は雨でも晴れでもなんでもいいの
守護神がいてもいなくても私達の幸せは誰にも邪魔はできないんだから
なんて、絶対言ってあげないけどね
20100619
ススム モクジ モドル