夢の中の裸エプロン[2]トシさんの右手がエプロンとカットソーの下から侵入し、素肌を直接撫でる。
その感触に肌が粟立ち、私はすっかり抵抗する気力を失ってしまった。
淡い玄関照明の下、トシさんの目が私を真っ直ぐに射抜く。
その紫紺の奥に、燃え盛る焔を見た気がした。
「…あ……っ、やぁ…ん、」
ブラジャーをずり上げられ、トシさんの長い指が胸元に食い込む。
敏感になったところを押し潰され、背中が反り返った。
「…ひぅ…っ、ん、」
トシさんは私の反応を全て見極めるかのように、真っ直ぐに見つめてくる。
真正面から顔を見られ、あまりの恥ずかしさに目を逸らした。
「ナマエ、」
だけど、甘く掠れた低音がそれを許してはくれなくて。
恥ずかしさに耐えながら目を見つめ返せば、トシさんが唇の端を吊り上げた。
トシさんの手が肌の上をなぞり、やがて下腹部へと辿りつく。
下着の上から秘部を撫でられ、身体が跳ねた。
その反応すらも、全て見られている。
妖しい光を帯びた紫紺が照明を映し込んで揺らめき、欲をちらつかせた。
「あ、あ…っ、だめ…っ、」
下着の上からなぞられているだけなのに、そこが濡れているのが自分でも分かって羞恥心が込み上げる。
熱に浮かされたみたいに何も考えられなくなり、いつ両腕が解放されていたのかも気付かなかった。
時折唇を押し付けながら、トシさんは私に快楽を与え続ける。
やがてその指は下着の中に滑り込み、直接ぬかるみに触れてきた。
「ひ…っ、ああっ、あ、あん…っ」
ぐちゅり、と耳を塞ぎたくなるような音がした。
駄目なのに、逃げたいのに。
その意思に反して身体は私の言うことを聞かず、トシさんの指に従順に反応していく。
敏感な突起を捏ね回され、背中を何度もドアにぶつけて喘いだ。
「…や、ああ、っ、トシさ…っ」
私が無意識のうちに呼んだ名前に反応したかのようなタイミングで、トシさんの無骨な指が中に入ってきた。
私の弱いところなんてとっくに知り尽くしているその指は、焦らすことなく弱点を重点的に攻めてくる。
普段とは違う性急な攻め方に翻弄され、私はただ意味をなさない声を上げることしか出来なかった。
「…ひゃ、あ、あああん、あっ」
膝が震え、ついに立っていられなくなって脚から力が抜ける。
落ちかけた身体を支えてくれたのは、腰に回されたトシさんの左手だった。
腕一本で難なく私を支えたトシさんは、容赦なく中を攻め立てる。
「あ、ああ…っ、もう…も、だめ…っ」
特に感じるところばかりを刺激する指に、呆気なく頂上へと誘われ。
達してしまう、と思った瞬間、急に動きが止まった。
「…あ……」
ずるりと指を引き抜かれ、直前で奪われた熱に中が蠢く。
思わず見上げれば、恐いくらいに強い視線とかち合った。
今にも灼かれてしまうのではと錯覚するような、熱気を孕んだ紫紺。
ぞくり、と背筋が震えた。
「ナマエ…、」
薄い唇から漏れ聞こえた音は吐息混じりに震えていて、切望感を隠しもしない。
いつもの余裕をすっかり捨て去った姿に、一層蜜が溢れて太腿を伝い落ちた。
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