乱れた吐息と昂ぶる心[2]俺のデスクにうず高く積み上げられたプリントやらテキストやらを全て床に薙ぎ払い、その上にナマエを座らせる。
濡れて色の濃くなった赤いリボンを毟り取り、ブラウスのボタンに手をかけた。
ナマエはもう抵抗しねえ。
されるがまま、黙って唇を噛んでいた。
「噛むな、傷が付くだろうが」
右手でブラウスのボタンを外しながら、左手の指をナマエの口に突っ込む。
「舐めろ」
そう命じれば、ナマエの舌が恐る恐るといった様子で俺の指先を舐め始めた。
ボタンを下まで外しきってブラウスの前を開けば、現れる薄いピンク色の下着。
色なんざ、とっくに分かっていた。
クラスの奴らも、気付いただろう。
それが許せねえ。
「んぁ…っ」
ブラをずり上げて強く揉みしだけば、ナマエが感じた声を漏らす。
指先に歯が当たり、そこに生じた熱が急速に身体中を駆け巡った。
「そうだ、もっと啼け」
顔を寄せ、すでに立ち上がった乳首に吸い付けばナマエが背を反らして身悶える。
身体を後ろにずらそうとしやがるから、腰を掴んで引き寄せた。
ナマエの口から指を引き抜き、唾液に濡れたそれで一方の乳首を摘まむ。
もう一方は唇で挟んだ。
そのまま両方に刺激を与えてやれば、ナマエが嫌々と首を振る。
「…は、ああん…っ、あ、あ…っ」
だが、そんなことで許してやれるほど俺は寛容じゃねえんだよ。
爪を立て、甘噛みし、舌で転がして押し潰す。
いつも俺が仕事をするデスクの上で身体を跳ねさせる姿に、欲望が昂った。
「あ、あ…っ、だめ…っ、せんせ…!」
ナマエが、デスクについていた手を俺の頭に回してくる。
言葉の内容とは裏腹に、引き寄せるように力を込める手に満足感を覚える。
「は…っ、何が駄目、だ」
もっとしてほしいんだろうが。
吐息を吹きかけるだけで、震える身体。
強弱をつけながら愛撫してやれば、揺れる腰。
浮いた足の踵が、デスクに備え付けられた抽斗に何度もぶつかって音を立てた。
「ひゃ、あ、あ…っ、せ、んせ…っ」
乳首を攻め立てながら上を見上げれば、髪を振り乱して刺激を散らそうと悶える姿。
その顔から普段の無邪気な笑顔は消え去り、すっかり欲に溺れて色づいている。
そうだ。
そうやって、俺のことだけ感じていろ。
他の男のことなんざ考えやがったら許さねえ。
「…あん…っ、あ、せ…せ、も、」
言いたいことは分かってる。
だが、それだけじゃ足りねえ。
もっと、求めろ。
俺を欲しがれ。
俺だけが欲しいと、その口で言ってみせろ。
「何だ?」
意地が悪い?
んなこた百も承知なんだよ。
だが、こうでもしねえと。
こいつは俺を求めねえ。
いっつも求めるのは俺の方で、こいつはそれに応えるだけ。
そんな状況を、いつまでも俺が許すと思うな。
「や、…せんせ、もう…っ」
「だから、何だって聞いてんだろうが」
欲しいと言え。
友人と楽しく話すその口で。
美味そうに飯を食うその口で。
唾液を零しながら、俺を欲しいと言ってみせろ。
そうしたら、お前の欲しいもんをぶち込んで散々掻き乱して天辺まで連れてってやるよ。
「…ひ、あ、あ…っ、せ、…んせ、…あ、ああ…っ、も、……ほ、しい…の…っ、欲しい、……早く、なか…!」
ナマエが涙を流しながら、そう懇願した。
しょうがねえな。
今日のところは、それで許してやるよ。
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