[13]たったひとつの願いR-18「出来る限り、力を抜いていてくれ。どうしても痛ければ、言ってほしい」
そう断ってから、斎藤は己をナマエに宛てがった。
蜜を絡ませながら、先端を少しだけ中に埋める。
激しく突き上げたい欲望を必死で抑え込み、時間をかけてゆっくりと中を広げた。
指とは比べものにならないような圧迫感に、ナマエが呻いて眉を寄せる。
それでも彼女は、決して拒絶の言葉を口にしなかった。
斎藤の背に回された手は震えながら、それでも全てを受け止めようとしていた。
「優しく、する」
斎藤はそう呟いてナマエの頬に口付け、また少し腰を進めた。
「…ひぅ…っ、あ…!」
ナマエの喉が、ひくりと震える。
それでもその身体は拙いながら、確実に斎藤の熱を受け入れた。
時間をかけて、最後まで。
「分かるか…っ、あんたの中にいま、俺が、」
狭く絡みついてくる快楽に声を震わせ、斎藤がナマエの意識を引き寄せる。
ナマエは、何度も繰り返し頷いて、その感覚を斎藤に伝えた。
「ずっと、こうしたかった…!あんたを、この腕に、ずっと」
斎藤はゆっくりと腰を引き、また少し打ち付ける。
それだけでも、倒錯的な快楽がその身を襲った。
いま、ナマエを抱いている。
その事実だけで、果ててしまいそうだった。
「斎藤さ…っ、あぁ…ん、ぅ…」
やがて、ナマエの身体が斎藤の形に馴染み、そして色を変えた。
「…あ、ぁん…や、ぁ…んっ」
段々と艶を帯びる喘ぎ声に、斎藤は劣情を煽られる。
本能に支配され激しく腰を振り、上体を倒して胸の飾りを口に含み、もう片方を指で弄った。
そうして同時に攻め立てれば、ナマエが限界を訴えて髪を振り乱す。
「ひぁ…あ、さい、と…さぁん…っ」
斎藤は、気持ちが良いと悶えるナマエの身体を見下ろした。
ナマエを乱しているのは己だという、圧倒的な陶酔感。
己だけが、彼女のこの姿を知っている。
己だけが、男として振る舞い戦うナマエを、女にしてやれる。
その事実に、斎藤は酔い痴れた。
絡みついてくる熱と、目の前で喘ぐナマエの裸体。
口付けた唇は甘く、部屋中に濃密な匂いが立ち込めた。
五感の全てを刺激され、斎藤は限界を感じる。
「…く…っ、は…ぁ、」
ナマエの中に己を埋めて奥を突き上げ、その身体を揺さぶり、最果てを目指す。
狂おしいほどの愛しさに、息が詰まる思いがした。
「や、あぁっ、あ、さ、いと…さ…っ、いっちゃ、ああああっ」
「…ナマエ、は…っ、く…ぅ…」
最後に激しく突き上げながら、斎藤はナマエの身体を抱きしめる。
そうして二人、上り詰めた。
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