二人の夜に溶ける[5]しつこいくらいに胸への愛撫を続けていると、ついにはじめが我慢の限界を訴えた。
「ナマエ…っ、もう、そ…こはっ、ぁ、」
濡れた髪を振り乱したはじめが、この先を望んで両脚を大きく広げる。
大きく主張するソレは、先端からだらだらと蜜を零して震えていた。
「目、開けて」
「…な、に?」
はじめの耳元に、唇を寄せる。
「触ってほしいんでしょ?だったら。前、見て」
はじめが、その両目をずっときつく瞑っている理由。
「…そ、れは…っ」
それは、目の前に。
「開けないなら、ずっとこのままね」
大きな鏡があるからだ。
「…ナマエ、ぁ…っ」
はじめの睫毛がふるりと震え、その間から欲に濡れた蒼が覗く。
その視線が、鏡に映った彼自身の姿を捉えた。
「よく出来ました」
露わになった項に、キスを一つ。
両手を、ゆっくりと腹筋の上に滑らせた。
そのまま徐々に手を下ろし、ついに大きくなったソレに辿り着く。
右手で先端を軽く擦れば、それだけではじめの腰が跳ねた。
「…く、ぅ…っ」
目の前の鏡に、はじめのあられもない姿が映る。
胸を反らし、両脚をはしたなく広げ、その間で大きくなった欲情を、私が背後から包み込んで扱いている。
そんな自分の姿を直視していられなくなったのだろう。
はじめが、耐え切れないとばかりに目を閉じた。
その瞬間に、手を離す。
これが最後の意地悪だ。
「ナマエ…っ」
急に途絶えた刺激に、はじめが物足りなさを前面に押し出した声を上げた。
「目、閉じないで。閉じたら触ってあげない」
そう言って、そろりと下肢に伸びかけていたはじめの両手をそれぞれ拘束する。
自分で触れることも叶わなくなったはじめが、嫌々と首を振った。
「ほら、触ってほしいでしょ?」
そう言って首筋に舌を這わすと、はじめが再び目を開けた。
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