どうか溢れんばかりの愛を[1]
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俺の相棒、バニーは、一言で言うならばクールな奴だ。

合理主義でスマートで、格好付けだがそれが様になってしまう格好良さを持っている。
金髪長身、顔もスタイルも申し分なし。
ヒーローデビューして1年でKOHの座を手に入れて、記録をどんどん塗り替えて。
今ではシュテルンビルト中が知る有名人だ。

そんな奴だが、性格にはかなりの欠陥がある。
出会った頃は、なんていけ好かない奴だろうと思った。

現場に出ればポイントのことしか考えないし、メディアに出れば嘘臭い営業スマイル。
そのくせ普段はつんけんしていて、ズバズバと辛辣な台詞ばかり。
常に拒絶オーラを身に纏い、取っ付きにくいことこの上なかった。

でも、いつからか。
一緒に戦っていくうちに、バニーの過去や闇を知って。
少しずつ、分かり合えるようになって。
いまでは大事な、大事な相棒だ。

そして今日、俺はバニーことバーナビーの新たな一面を知ることになる。


出動命令のない、平和なある日。
書類仕事に飽きた俺は、昼前にトレーニングルームへと足を運んだ。

「おはよう、そしてグッモーニンだ」

そこには既に先客がいて。

「お、スカイハイ。ずいぶん早いなあ」

いつも通り爽やかな笑顔を見せるスカイハイに、片手を上げた。

ヒーローたちがトレーニングルームに集まるのは大抵夕方頃で、こんな時間に鉢合わせするのは珍しい。

「今日はナマエさんに呼ばれていてね。他の皆もそろそろ来ると思うよ」

その言葉と共に、タイミング良く背後のドアが開いて。
スカイハイの言う通り、ヒーローたちがぞろぞろと入って来た。
まさに全員勢揃いだ。

「え、なに?今日なんかあんの?」

いないのは、バニーだけ。

「ナマエが全員分のトレーニングプログラムを組み直してくれたの。渡したいから集まって、って聞いてないの?」
「いや、聞いてないって」
「ハンサムが伝え忘れたんじゃない?」
「じゃあタイガーさんがここにいるのは偶然なんですね。でも、よかったじゃないですか」
「本当だ、危うくナマエに殴られるところだった」
「ところでバーナビーは?」
「さあ、そろそろ来るんじゃない?」

がやがやと、騒いでいると。
再びドアが開いて。

「皆、お待たせ〜」

ナマエが、青のファイルを片手に現れた。


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