君の味方はここにいる[2]
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感じた、激しい憤り。

「貴女は、綺麗です。誰よりも、貴女は汚くなんかない」

ナマエが、目を見開いて。
ただ、見上げてくる。
驚いたみたいに。

なぜ誰も、彼女にそう言わなかったのだろう。
彼女の何が、汚いというのだろう。

「…僕が、貴女を愛します。ご両親の分も、世界で1番、貴女を愛します」

人を信じるのが怖いと言っていた意味を、ようやく知って。

「貴女を幸せにします、約束します」

そう言って、そっと手を伸ばした。
ナマエの身体を引き寄せて、胸に抱きしめる。
きつく、きつく。
この想いが届くようにと。

「ずっと傍にいます。だからどうか、僕を信じて下さい」


これが、最後でもいい。
もう1度だけ信じてほしい。
つらい思いはさせない。
彼女を脅かす全てのものから、守ってみせるから。

「バーニィ…」

胸元で聞こえた声は、僅かに震えていた。
こんな弱々しいナマエを見たのは初めてだった。

いつも笑顔で、僕を引っ張って行ってくれる。
そんな貴女だから。
きっと、人に弱みを見せるのが嫌いな人だろうから。
黙って、その背中を支えていたい。
倒れることのないように。
そして、どうしようもなくなったその時に、安らげる場所であるように。


「愛しています、ナマエ」

僕はいつだって、貴女の味方です。

「…うん、」

微かな声が返ってきた。
言いづらかったことを話して、少しは楽になっただろうか。
胸の痞は取れただろうか。

「ありがとう、バニーちゃん」

その言葉に、思わず笑った。

「全く、貴女って人は…」

こんな時に限って、そう呼ぶのだから。
でも、今ならば分かる。
それが照れ隠しなんだと。


「ねえ、バーニィ」

少しくぐもった、でも嬉しそうな声だった。
だから安心した。

「私、バーニィに逢えてよかった」

そう言って顔を上げたナマエの顔は、ちゃんと笑っていて。
見惚れるほどに綺麗で。

「…はい、僕もです」

幸せだと、強く思った。




君の味方はここにいる
- たとえ誰が何を言おうとも -




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