「 2  」

 ガボはアルスになついていた。

 まだ人間の立ち振る舞いについて完璧にはなっていなかったので、よくアルスに指導をしてもらっていた。「ちがうよ、ガボ。ご飯を食べる時はね、フォークとナイフを使うんだよ」と、優しげに教えてくれていた。ものの食べかた、話し方、歩き方、その他もろもろを、彼は丁寧に教えてくれた。

 マリベルは面倒臭がってガボの面倒は見てくれなかったし、キーファは「べつにガボはそのままでいいんじゃないか?」と真面目に取ってくれなかったので、人間としての生き方を教えてくれたのはアルスだけだった。

 もともとガボはアルスに魅かれて、人間として生きアルスたちと旅することに決めたので、それを知っているアルスは何か責任を感じているようだった。

「オイラはアルスが好きだからずっとアルスについて行くことに決めたんだ!」と顔をすりよせたら、彼は困ったように笑い、「そっか。じゃあ、面倒見てあげないとね、」と、頭をなでてくれた。(それを見たキーファは笑いながら「まるで、なついてしまった捨て猫を情で拾っちまったみたいだな! 突然飼い主としての責任を負ってしまった小学生みたいだ」と言っていた。)

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