「 6 」

 ふと。
 ボフン、と、ナルトの頭が降ってきた。

 ソファに寝かされたままの彼女の肩口に、ナルトが顔をうずめてきた。
 気付けば身体も動くようになっている。
 あんなに性的だった彼が、今はただの子どものように、彼女にしがみついていた。

 自由になった手で、ナルトの頭を撫でた。
 肩に顔を埋めたまま、ナルトは開口した。
「くそ、なんで本当に女みたいな反応してんだよ…。いつもみたいに軽くヘラヘラといなせよ、馬鹿野郎…」
 彼女はヘラリと笑う。
「そりゃ、期待に添えず、申し訳ないことしたね」
「…」
「でも、おれも、寂しかったんだよ」
 彼女は、ナルトを撫でるまま、天井を見上げる。「あんたに避けられてて、寂しかったんだ」
「…」
「身体が女だってバレた瞬間、急に避けられはじめてさ。さらに、突然プレゼントとかされて…もっと距離感じるようになって…。おれはただ、あんたの隣にいたいだけなんだよ、うずまき。」
「…」
「だから、今日は、また触ってもらえて、嬉しかったよ」
 すぐそばにある彼の耳に口づけする。「サンキュ。また、今まで通り、女とか男とか関係なく、仲良くしていこうぜ」


 顔をうずめたまま、彼はくぐもった声で返事した。
「…今後もしまた女みたいなことしたら、今度こそ襲ってやるぞ」
「はっはっは、そいつは怖いな」
 そう言って、裕也はナルトを力強く抱きしめた。

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