「 5 」

 耳元に吐息と共に吹きこまれた声に、初めてナルトを『男性』と意識した。今の今まで『子ども』としか思っていなかったのに。ナルトを挑発したのだって、どうせ子どもには何もできないだろうと高をくくっていたからだ。まさかこんなに冒険されるとは思わなかった。押し倒された上に拘束されるなんて想定外だ。
 いよいよ身の危険を感じ、彼女はナルトの下から逃げ出そうとする。しかし出られない。なぜか身体が動かなくなったのだ。
 逃げられない。
 膝あたりから、太ももへ、と、徐々に上がってゆくナルトの手。

「お前さ、」引き続き耳元で、吐息と共に囁かれる。「『女として愛してやる』って言ってたよな。それって、」
 一気に上がったナルトの手が、スカートの下から、彼女の柔らかな尻を掴んだ。「こういうことしてもいいってことだよな?」


 彼女の目が見開かれる。
 尻に感じる、男性的な節ばった手。
 ナルトがクスリと笑う。
 色を含んだ男性的な笑み。
 どうしようもなく、彼を男だと意識せざるを得ない、性的な笑み。

「何? 内海、今まで男だったからこういうことされたことなかったの? おれが初めて? そりゃ嬉しいな。もっとやっていい? 胸とか触っていい? ずっと触りたかったんだけど。」吐息と共に。「なぁ、裕也、」

 名前を呼ばれた。
 否定したい。いやだ、と言いたい。こんな形で胸など触られたくない。でも声が出ない。首もブンブンと横に振りたいのにできない。ナルトの術だろうか? 金縛りに遭ったように、声も出ないし身体も動かない。
 胸の方へと上がってくるナルトの手を見て、彼女はきつく目をつぶった。

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