とある少女がいました。
とある少女は人から愛されたいという願望を人一倍持っていました。
しかし現実は彼女には辛いもので、とある少女は全く愛されません。
世界に絶望した、とある少女は手首を切って自殺を図ったのです。
しかし何の因果かとある少女は、違う世界へ魂が跳んでしまったのです。
神様は考えました。
とある少女と傲慢な女が出会えばどんな物語が紡がれるのだろうかと…
神様は、とある少女には人より勝る幸運を与えました。
とある少女は誓約付きで肉体と幸運を手に入れ世界に潜り込んだのです。
順調に世界を満喫する、とある少女はやがて傲慢な女と出会いました。
とある少女は、今までの幸運を信じて止まなかったのです。
運だけで全てを手に入れようと一つの嘘は箱庭(せかい)に波紋を作りました。
波紋はやがて大きくなり、神ですら介入出来ない所まで進んで行ったのです。
神様は見てみたくなったのです。
運だけで道を切り拓いていく、とある少女と、努力の末に勝利を勝ち取る傲慢な女のどちらが世界に必要とされるのかを!
とある少女の幸運と星の強制力は並々ならぬモノだったのでしょうが、傲慢な女の智謀・策謀の前で幸運も星の強制力も膝を屈した。
何と愉快な事でしょう!
神様は愉快に嗤うのです。
とある少女は絶望と悲しみの淵に沈み、その後は神の知る所では無くなったのでした。
唯一彼女の事を織(し)っているのは、一冊の本とは呼べないノートです。
題名:とある少女の物語
著者:不明
アナタの知らない世界、知っている世界?どこの世界かでベストセラーとなった「とある少女の物語」
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