転職 プログラマー A子さんの愉快なホワイトデー | ナノ




冷涼のクラスにいる得体の知れない生物の名前は神谷みおと謂うらしい。

報告書に記載されている情報では、北海道から神奈川に引越しして来たという。

経歴にも不審な所は見当たらないと普通の人が見ればそう思うかもしれないが、写真で見る限り美人だった。

アレだけ容姿が派手なら騒がれてもおかしくない。

のにも関わらず彼女の人柄を窺い知れるような噂が一つもない。

可愛い。

良い子。

頭が良い。

どれも薄っぺらな評価だ。

何一つ人間味のある物が無い。

ふむ、トリッパーな彼女は完全にこの世界に馴染んでいないようだ。

ともすれば、冷涼のように違和感や拒否反応を起こしている人がいる筈。

私は彼女の対象外になっている彼等に近付いてみようじゃないか!

私は君を人として認識しないよ。

君は私の可愛い冷涼を害したんだ。

君がその気でなくても、ね。

だから君を全力で排除しようと思うんだよ。

ただ一つ君の顔をマトモに見れないのが残念かな。

美人とか可愛いとか持て囃されている君の顔がどんなのか凄く興味があるんだよ。

でも私にはモザイクが掛かっていて見えないんだ。

残念。

とっても残念だ。

幸村達に囲まれて倖せそうな声で笑う神谷みお。

でもね、君を遠巻きに見ている奴等がいるのを知っているかい?

気付いてても対象外だから無視しているのかな?

ふっは!

彼等は君を魔(わたし)の手から守ってくれるのかな?

凄く、とても、興味深いよ。

クツクツと湧き上がる嗤いを堪えて私は彼等に問う。

「君は気付いているんだね、真田とジャッカル。」

一緒にアレを排除しよう、と手を差し伸べると彼等はすんなりと頷いた。


白い

しろい

シロイ

砂糖のようにサラサラと甘〜く倖せが零れていくよ。






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