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神田が動いた。

松園が調べた神田に関する書類に目を通す。

案の定、神田愛美は幾多の女子生徒を自殺に追い込んでいた。

自分より一つでも優れた物を持つ女子生徒達。

美貌、運動神経、成績、人望等数数え切れずと謂った所か…

成る程、強欲なわけだ。

私も大概強欲ではあるけどね。

どちらが人でなしだろう？

カタカタとパソコンのキーボードを叩く音が執務室に響き渡った。

私は勝算のない勝負はしない人間なのよ？

今作っているのは私の個人情報を扱うメインコンピューターにハックした物を対象にウィルスが撒かれるの。

これでもパソコンは得意な方なのよ？

まぁ、メインコンピューターに辿り着く前にえげつない報復（ウィルスソフト）をプレゼントされるんだけどね。

もっと改良してあげようかなって思って。

今頃、歯軋りして悔しがっているかしら？

でもそれだけでは私がつまらないでしょう？

だから特大の愉しみを差し上げようと思うのよ。

画面に映し出されるは、神田愛美が薬を売り捌いている場面。

この映像を撮るのに松園は苦労したのでしょうね。

後でご褒美に休暇でもあげようかしら？

インターネットで全世界に向けて発信してあげよう！

神田財閥もカウントダウンになるわね。

ギリギリまで持たせてあげるけど！

だってまだまだ絶望にはほど足りないわ。

私の事を消したいのでしょう？

だったら私が貴女を消しても問題ないもの。

自分だけの特権だと思わない事ね？

誰かを消すって事は、自分も誰かに消されるって事を認識しておかないと足元を掬われてしまうからさ。

動画を編集し、最後に

『貴女の過去を暴きます』

って血（あか）文字で書いてあげた。

怨念が篭ってそうで愉しいでしょう？


さぁ！

さぁ！

さぁ！


どれだけの人間が君を見ているのかな？

醜い君を見て、本気で愛してると囁いてくれる王子様がいるかしら？


人でなしは高らかに嘲笑った。

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