醜い、醜い、歪んだ笑みを浮かべる神田。
勝利を確信しているんだろう。
しかし待っているのは絶望ぜよ。
ワシ等の仲間に散々媚を売っておいて本命一本に絞れない馬鹿女に誰が靡くんじゃ。
股を開かれても突っ込みたくなか!
猿を相手にした方がマシじゃけ。
「あのねぇ〜にぉー君の為にマナ頑張ってチョコを作ったんだよぉ♪」
ゴテゴテしたラッピングの箱を差し出してきた。
絶対に受け取ると思っとるんじゃろな。
「いらん」
ワシの拒否の言葉に神田の顔が歪んだ。
「え?何でぇ??」
聞き違いとか思ってるんじゃろか?
無理矢理手渡そうとするチョコを叩き落した。
「お前さんからのチョコなんざ虫唾が走るき。」
本音をぶちまければ
「何で?何で?何でよ!マナはこんなに可愛いのよ!マナからチョコを貰えるなんて有り難いことなの。有り得ない!絶対に有り得ない!」
狂ったようにブツブツと独り言を言い出した。
「世界が自分中心に動いてると思っちょるんか?アホじゃな。お前さん程度の顔なんざ可愛くも思わん。性格ブスなら尚更見向きもせん。ゴミを持ってワシの前から消えてくれんか?」
この言葉が決定打だったのか神田はチョコを投げ付けて去って行った。
「おやおや、酷い振り方だね。」
狂気を滲ませた艶やかな笑みを浮かべる栄子に
「本心じゃ。お前さんの頼みじゃなかったら受けんかった。」
やっとあの馬鹿女から解放されると思うと笑みが零れる。
「そうかい?それにしては結構ノリが良かったと思うが?」
クツクツと笑う栄子の腕を引っ張り、抱き寄せた。
仄かに香るシャンプーの匂いにワシの気持ちは高揚する。
「ご褒美が欲しか…」
校舎の陰に入り栄子の唇を貪った。
貪欲に何度も何度も深く、深く互いの熱と快楽を混じり合わせるように!
肌蹴た白い肌に朱い痕を残していく。
白雪を穢すような高揚感と栄子の甘い声に我を忘れた。
栄子の体内(なか)は温かくセックスが、こんなに気持ちの良いものだと始めて知った。
経験は人並み以上にあったが、それでも理性を飛ばすという事は無かった。
甘い、甘い、極上の喘ぎ声にワシは溺れていく。
やはり栄子は極上の女じゃ。
もう他の女は抱けんかもしれん。
ワシが一番じゃ。
男は狂気を滲ませて嗤った。
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