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SIDE-栄子-


段々味方がいなくなっているね、神崎メイル！

ふは、私はお前が必死になってしがみついているお姫様(ちい)から引き摺り降ろされている様を見るのが楽しみなんだよ！

君も強欲だよねぇ。

せめて一人と心に決めていたなら王子様達も離れていかなかったはずだ。

まぁ、私も君以上に強欲だよ♪

私？

別に君の王子様達にちやほやされたいとは思わないよ。

だって面倒臭いじゃないか！

まぁ、奴等は所詮は鑑賞用だからね。

掛け算、足し算しながら楽しむのが一番さ！

ペンネームは何にしようかな？

そろそろ新刊を出すのも良いよね。

あぁ、何て愉しいのか！

ウッカリ君を叩き潰す事を忘れるぐらいには、愉しいよ？

お姫様、レベルアップして勇者(なかま)を連れて私を倒しにおいでよ。

じゃないと、私が君を忘れてしまうじゃないか！

早くしないと私が潰しちゃうよ？




SIDE-神崎メイル-



どうして？

赤也やブンちゃん、精市に雅治、柳まで私の傍を離れていった。

私がヒロインなのよ！

ちゃんとファン(バカ)達から守るのが、アンタ達の役割でしょ！？

しかも部活にも出てこないって…山田の仕業なのね！全てが順調だったのに、山田栄子が壊してしまったんだわ！

イライラ

いらいら

苛々

苛苛

凹んでしまった親指の爪を見て苛々は募るばかり。

見てなさい！

絶対に正体を暴いて上げる！

そして土下座して貰って、ふふ、どうしようかな？

ねえ、ねえ、山田さん。

通行人Ａがデフォルトのような貴女にお似合いの結末を用意してあげようと思うの！

うふふ、神様に愛されている私が負けるわけないじゃない！

だって愛されているからトリップさせてくれたんでしょう？

容姿も王子様達の隣に佇んでも良いと思える程、可愛くしてくれたんでしょう？

これはきっと試練なんだわ！

もっと

もっと

もっ〜〜と

沢山の幸せが私に舞い込む為の試練なの！

この試練に打ち勝って王子様達を独り占めするの。

ふふ、お姫様は私一人だから一日交代で恋人にしてあげても良いよ！

大丈夫、み〜んな平等に愛してあげる。

メイルは可愛いお姫様だもん。

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