転職 プログラマー A子さんのオセロゲーム | ナノ





仁王、ジャッカル、丸井は確実に取り込んだ。

ふっは、計画通りに行くのは楽しい。

でも、予想外の事が起きるのはもっと愉しい!

神崎メイルに不信感を抱かせ、男子テニス部ば分裂状態だ。

まぁ、そう簡単には壊されないだろうけど、いつまで持つか…ね。

「山田さん、ちょっと良いかな?」

疑問系なのに有無を言わさぬ雰囲気は流石変人(R陣)を纏める部長だ。

「別に構わないよ、色男。」

ニヤリと笑う私に然して気分を害した様子も無く

「美少女の山田さんに誉められるなんて光栄だね。」

サラっと受け流す。

「クラスまで乗り込んでくるのは、お姫様のためかい?」

神崎が大事かと聞けば一瞬不快感を露にした。

直ぐに花を飛ばすような腹黒い笑顔で

「神崎は関係無いよ。俺が山田さんと話をしたいだけなんだ。」

と言い切る。

幸村は神崎が嫌いだと云う事と野次馬根性宜しく私に近付いたのだろう。

「おやおや、デート(呼び出し)のお誘いかい?残念ながら楽しめない事には興味がないのだよ!」

どんな切り返しをしてくれるか楽しみだと幸村を見れば、至極愉しそうな顔で

「きっと山田さんが気に入るデートになると思うよ?」

視線の先に嫉妬と憎悪に歪む神崎メイルがいた。

クツリと私は笑う。

幸いにも次の授業は自習だ。

私は神崎に見せ付けるように幸村に腕を絡め

「ふっは、では愛の逃避行とでも行こうか?」

言外にサボりを宣言した。

「ふふ、そうだね。エスコートさせて貰うよ。」

ニッコリと極上の笑みを浮かべる幸村にクラスメイトの女子が頬を染める。

神崎だけが睨んでいるのだけどね!



図書館の書庫で私と幸村は授業をサボっている。

因みに甘い雰囲気は微塵もない。

持ってきた菓子と自販機で買ったジュースを片手に優雅にお茶会をしている。

「で、本題はなんだい?」

ポッキーを噛じりながら私は用件を聞いた。

「あ、これ美味しいね。」

人のポッキーをパチる幸村。

図々しいな、この野郎…。

「丸井の献上品。てか、話をしたいんじゃなかったのかい?」

単なるお茶会をする為にサボったわけじゃ無いんだけど。

幸村は無駄にキラキラした笑顔で

「うん、山田さんに協力しようかと思ってね。神崎を再起不能に叩き潰す予定何でしょ?」

面白いよねvと腹黒い発言をかました。

鬼だ。

仮にも逆ハーを成立させたお姫様をアッサリ捨てる幸村をマジマジと見る。

「やだなぁ、そんなに見られたら照れるよ。」

どこがだ。

嘘でも頬を染めてから言えやと思ったが口には出さない。

電波系の相手も困るが、腹黒い奴の相手はもっと困る。

「確認なんだけど、幸村は神崎メイルが嫌いなのか?彼女は転校初日からマネージャーにするほど気に入っていたのだろう?」

そう言うと

「俺は神崎が嫌いだ。あんな気持ち悪い存在は始めてだよ。纏う雰囲気にアイツ等が暗示を掛けられたように好意を持った。普通有り得ないだろ?好みも違うんだからさ。」

幸村は神崎メイルの逆ハーフィルターに掛かって無い事を確信させた。

「それに強制力が働いているみたいに神崎にとって都合の良いように事が進むんだ。気持ち悪いよ。」

端正な顔を歪め神崎を酷評する幸村は、ズバリ良い線をいっている。

神崎メイルはトリッパーで逆ハー補正と痛い奴だ。

逆ハー補正の強制力に幸村は気付いたのだろう。

「ふっは、一番想っている男に嫌われているとは、神崎も憐れだねぇ。」

クツクツと笑えば

「笑い事じゃないけどね。仁王、ジャッカル、丸井を数日間で懐柔した手腕を見込んで協力して欲しいんだよ。」

真剣な眼で返された。

まぁ、良いけどね。

「懐柔とは人聞きの悪いことを言うねぇ。まぁ、良いよ。但し、邪魔したら殺すからそのつもりで、ね。」

あっは、過激な発言に固まっちゃったみたいだねー。

ま、話しも終ったことだし私は幸村を置いて教室へ戻った。







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