マリアお姉様がボンゴレを追われたと報告が入った時は何の冗談かと思いましてよ。
どうして神様はマリアお姉様ばかりに意地悪をなさるのです!
どれだけマリアお姉様が犠牲を払ったと思っているのです!
ロッソファミリーの後継者争いの時もマリアお姉様は自分で身を引かれたのですよ。
本妻の子であるマリアお姉様こそ後継者に相応しいと云うのに無益な争いと愚者(ばか)共を黙らせる為に権限を一切放棄なさり、わたくしの補佐に着いてくれたと云うのに…
ボンゴレの婚約候補に選ばれた時はマリアお姉様が選ばれる事ぐらい予想は付きました。
わたくしはマリアお姉様の結婚相手に愚かにも相応しいのでは?と思い婚約に乗り気だったのです。
それがどうでしょう?
得体の知れない小娘に戯言を抜かし、身重であるマリアお姉様を暗殺しようとするとは!
リボーン様とボンゴレに居らした頃の傍メイド、今は毒蠍、Dr.シャマル、ランキングフウ太等がマリアお姉様を守っていらっしゃるとか…
「わたくしはボンゴレを許すつもりはなくてよ。」
ギリっと目の前に座る男を睨んだ。
この男は何も悪くはないのだけれど…
「僕もボンゴレを許していませんよ。僕の可愛いクロームまでも傷付けようとしたのですからね。」
骸様の言葉に先日、匿った女性を思い出した。
「そう、あの女性(かた)がマリアお姉様の話に出てくるクローム様だったのですね。京子様は大丈夫なのでしょうか?」
もう一人、マリアお姉様の話に出てくる女性の身を案じた。
「どうでしょう…最早ボンゴレはあの小娘の傀儡と化しているみたいですし、僕にも媚を売ってクロームを傷付けたぐらいです。何かしていてもおかしくはないでしょうね。」
冷静に分析する霧の守護者は怒りで満ち溢れていました。
「そうですか…骸様は晴れの守護者とコンタクトを取って下さいまし。わたくしは京子様の身柄をロッソファミリーへ向かえ入れましょう。」
マリアお姉様のご友人である彼女達ぐらいはお守りしたいのです。
「分かりました。クロームをお願いします。」
骸様の言葉に
「ご安心下さいまし。マリアお姉様の味方に成り得る方はどれぐらいいらっしゃいますの?」
クローム様の身柄を保証する旨を約束した。
骸様は一考し
「そうですね…今の所は雲雀と笹川、ランボと言った所でしょうかね。」
味方になりそうな人物を連ねた。
「半分と言った所ですわね。骸様、わたくし直属の部隊をお使いになって下さっても結構ですわ。ナタリー、彼をカイルの所へ案内して差し上げてお挙げなさい。」
古参メイドのナタリーを呼び、カイルの所へ案内するように支持を出す。
絶対に許しませんわよ、ボンゴレ。
わたくしは幹部を召集しボンゴレに対し報復及びマリアお姉様の身柄の保護を最優先する事項を命じたわ。
新しくなったロッソファミリーの結束の強さを見せ付けて差し上げます。
マリアお姉様、どうかご無事でいらして下さいまし。