−SIDE マリア−
ボンゴレの追っ手から逃げ回ること早4ヶ月。
腹も大きくなり移動も辛くなってきた今日この頃。
よく流産しないよな!
「マリア様、お辛くはありませんか?」
レナの気遣いに
「いいえ、レナには本当に良くして貰っていて辛い事なんてないわ。レナこそ辛くないかしら?」
感動するよ!
ボンゴレの屋敷にいるよりもずっと快適に過ごせてます。
3LDKとボンゴレの屋敷に比べれば小さな部屋だが俺としては満足だ。
俺とリボーン、レナの三人で始めた共同生活は意外と上手くいっている。
カードの上限をギリギリに使い全部処分し、手持ちの現金と貴金属を換金して購入したこのマンションと備品。
このマンションを購入した同じくノートパソコンも購入している。
ノートパソコンの活用方法はカードの使用履歴の消去や株の操作に偽造戸籍と様々な分野で活躍していた。
無論、嫌がらせでボンゴレにハックしてウィルスを撒くぐらいの悪戯は俺がされた仕打ちより生易しいもんだろ!?
そんな平穏な毎日は一人の女性の来訪で激変することになる。
ピンポーン♪
軽快になるチャイムに反応したのはレナで、護身用の銃を忍ばせドアを開けた。
「リボーン!!」
レナに抱き着く美女。
「ずっと探していたのよ。貴方がボンゴレを裏切ったと聞いて凄く心配したわ!あぁ、どうして私に知らせてくれなかったの?リボーンの為ならボンゴレだって潰してあげるのに!」
何やら激しい人のようだ…。
ドン引きの俺とは対照的にレナが事務的に
「ビアンキ様、離れて頂けませんか?」
冷静に対応した。
剣呑な眼でレナを睨むビアンキは
「貴方、リボーンの何!?」
手には怪しい物体を持っている。
超怖い!!
俺は彼女に見つからないようにソッとリビングに移動しようとするが、出ている腹が何処かに当たってしまい大きな音を立てて見つかった。
因みに怪しい物体は何故か床に落ちている。
「貴女…もしかしてリボーンの子をっ!!」
凄い勘違いをかました。
いやいや、年の差を考えてくれよ!?
俺はショタコンになった覚えはないぜ!
怖くて最早声も出ず空笑いをする俺を助けてくれたのはレナだった。
「リボーン様の御子では御座いません。」
キッパリと事実を告げるレナに
「じゃあ、誰の子よ!」
まだまだ勘違いをするビアンキ。
「………ボンゴレです。口に出すのも悍(おぞ)ましい!ビアンキ様、貴女はマリア様の護衛としてリボーン様に依頼されたのではないのですか!?」
レナは本当に忌々しそうな顔をして言い捨てた。
その言葉でビアンキは安心したのか
「そうだったわ。ゴメンなさいね…私ついカッとなってしまって。其処にいる貴女がマリア?私はビアンキよ。リボーンから貴女を守るように頼まれたの。仲良くしましょうね。」
良い笑顔を俺に向ける。
「初めまして、ビアンキさん。私はマリア・ルッツ・ロッソと申します。ビアンキさん、本当に良いのですか?私達は最早ボンゴレから追われる身です。加えて私は身重で足手纏いになります。貴女の弟君と対立することになるのですよ?」
そう言えば、リボーンさんが一度だけ彼女には弟がいて、そいつは守護者なんだぜーみたいな事を言ってたような?
俺事情で肉親と争うのって嫌じゃん。
遠まわしにビアンキより断ってくれないかな?って思ったんだけど
「あぁ、何て事なの!!貴女がツナの元婚約者だったなんて…それにしても優しい子なの!安心して頂戴。私はリボーンの愛を取るわ!あんな小娘に戯言を抜かすツナや隼人は私の敵よ!!一緒にボンゴレを潰しましょうね!私の事はビアンキお姉さんと呼んで頂戴♪」
色々とぶっ飛んだ!!
リボーンさんの愛人はこんなにも濃いキャラばっかなんだろうか?
この手のタイプは俺が折れなければ先の進まないタイプだ。
「宜しくお願いします。ビアンキお姉様。」
どんな羞恥プレイだろう。
俺はきっと真っ赤になっているだろうな。
こうしてビアンキを含み俺達の生活は激動していく事になる。
−SIDE ビアンキ−
愛しいリボーンからとある女の護衛を頼まれた。
私はリボーンに守られている女がこの上なく憎いと思っていたわ。
だって彼の愛を一身に受けているんですもの!
リボーンがボンゴレを離れたのは有名な話で、シャマルやフウ太達もボンゴレから離れていった。
勿論、私もだけれど…それには理由があるのよ。
ボンゴレに突然現れた得たいの知れない小娘がボンゴレを乗っ取ったようなの。
ボンゴレには凄く人格者な婚約者がいたそうだけど、あんなチャンクシャに追い出されたと聞くわ。
何て可哀想なのかしら!
リボーンに教えられたマンションの一室を訪ねるとそこそこ美人な女が私を出迎えた。
「貴方、リボーンの何!?」
手にポイズンクッキングを用意する。
目の前の女に喰らわせようとした時、写真立が飛んできて私の手に当たりポイズンクッキングが床に落ちた。
誰!?と思って視線を彷徨わせると悲しみを帯びた美女が立っていた。
驚く事にお腹に子供がいるようだ。
「貴女…もしかしてリボーンの子をっ!!」
何てこと!嫉妬のあまり彼女を攻撃しようとしたら彼女を守るように立つ女が事情を説明してくれたわ。
リボーンの愛を疑うなんて私は愛人失格ね。
「そうだったわ。ゴメンなさいね…私ついカッとなってしまって。其処にいる貴女がマリア?私はビアンキよ。リボーンから貴女を守るように頼まれたの。仲良くしましょうね。」
笑顔で挨拶をすると
「初めまして、ビアンキさん。私はマリア・ルッツ・ロッソと申します。ビアンキさん、本当に良いのですか?私達は最早ボンゴレから追われる身です。加えて私は身重で足手纏いになります。貴女の弟君と対立することになるのですよ?」
マリアは私の気持ちと立場を汲んでくれた。
何て素敵な子なのかしら!
あぁ、こんな素敵な子を追い出すなんてツナに隼人の頭が腐ってしまったんだわ!
あの小娘はもっと赦せないけど!!
「あぁ、何て事なの!!貴女がツナの元婚約者だったなんて…それにしても優しい子なの!安心して頂戴。私はリボーンの愛を取るわ!あんな小娘に戯言を抜かすツナや隼人は私の敵よ!!一緒にボンゴレを潰しましょうね!私の事はビアンキお姉さんと呼んで頂戴♪」
今日からマリアの姉はこのビアンキよ!!
そう宣言するとマリアは恥ずかしそうに
「宜しくお願いします。ビアンキお姉様。」
ニッコリと笑ってくれたわ。
任せて頂戴!お姉様が貴女と子供を守ってあげるから安心してね。
ふふ、彼等も呼んで仲間を作らないと!
ツナ、隼人、私はリボーンと可愛い妹の為に死んで頂戴。
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