初めまして、私はマリア様がお生まれになる前からロッソと家に仕えさせて戴いているメイド長です。
マリア様は、容姿は母君様に似て美しく、群を抜く聡明さはロッソファミリーを発足させた初代様を彷彿させるとか。
マリア様は幼い頃からとても聡明でお優しくファミリー想いな方で御座いました。
父君と愛人の間に生まれたリーシャ様を大人の確執など関係無く仲良くされておりました。
リーシャ様もマリア様を自慢の姉様と自慢されて、とても幸せな生活を送っていたので御座います。
しかし、大人とは身勝手なもので、マリア様とリーシャ様を後継者とし争わせようとされたのです。
特に愛人はマリア様に幾度となく暗殺者を仕向け暗殺し、リーシャ様を後継者に囃し立てたのです。
マリア様は、リーシャ様、そして私達の身を案じ華奢な身体でボスと古参のファミリー達に宣言されたのです。
「ロッソファミリーの次代ドンナは私の妹であるリーシャ只一人です。私はロッソファミリーを継ぎません。」
そしてマリア様は宣言通りドンナ候補から外れリーシャ様を補佐されるようになったのです。
無論、不穏な因子は温厚なマリア様が潰されましたが…
リーシャ様の為にマリア様は一度も恋人を作らず、結婚もする気もない姿勢を周囲に見せていらしゃったのです。
若く、美しく、聡明で優しいマリア様。
娘のように思っておりました。
女としての幸せを掴んで欲しいのです。
だから、ボンゴレの雲の守護者と見合いの話がきた時は私は嬉しく涙を流しましたとも。
ロッソファミリーの島を荒らしたディーゼファミリーとの抗争の際、ボンゴレと鉢合わせになり雲の守護者。
マリア様が雲の守護者にアプローチしたそうで、此度の見合い話が出来たのです。
マリア様、どうか私に初孫を抱かせて下さいませ。
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