あの地獄のようなパーティから数日後、俺の元に一通の手紙が届いた。
内容はマリア・ロッソを婚約者候補にしたい。ついてはボンゴレ本部にて婚約者が決まるまで一緒に過ごしましょう。
って婚約者候補強化合宿!?ってノリのような手紙だぜ。
え!何の冗談?
あの失態で目を付けられた?
「流石、マリア様です。数あるファミリーの中でも候補に選ばれるなんて!」
ウットリと夢見る乙女になっている本日護衛のサンディに俺は
「サンディ、私の他にも婚約者候補がいるのですよ。それにロッソは中堅ですし、(第一印象最悪な俺を)選ばれる可能性は低いと思うの。」
ノリノリで仕度をしている彼女に対し無理だと理解しつつも牽制する。
「まぁ!そんな事はありませんわ!マリア様ほど才色兼備でお優しい部下思いの方が選ばれない筈がありませんもの。」
えーどんだけ美化し過ぎてんだよ。
サンディ恍惚とした表情で延々と語りだす。周囲に助けを求めようとも彼等もサンディの語りに何故か頷いている。
何故!?
ロッソファミリーのドンナ候補だっつのも嫌なのに、精神的に男だから子作り無理だぜ。
何て俺の心の叫びがコイツ等に解かる筈が無い。
しかし俺は諦めてない。ロッソファミリーの跡継ぎは異母妹がすれば良いし、ボンゴレの婚約者候補合宿(マリア命名)では俺以外の候補者がボンゴレのハートを射止めてくれるだろう。
取敢えず、合宿に参加するのにキャリーバック10個も要らないだろう。
俺は必要最低限の物しか持って行くつもりはない。
用意してくれたメイド達には悪いが俺は普段着とパーティドレス二着、下着に小物と
芋焼酎をキャリーバック一個に収めボンゴレの屋敷へ向った。
決してロッソファミリーの為じゃない。俺の楽しい隠居生活の為だ!
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