転職 プログラマー 沈黙の太陽完全版 | ナノ




ゴテゴテして着飾ったその辺の女達よりもシンプルな淡い月色のドレスを着た彼女に好感が持てた。

「ミス・ロッソ、少しお話をしませんか?」

俺が声を掛けた時、彼女はユックリと振り向いた。

しかし、間が悪いのか俺は振り向いた彼女にぶつかってしまい彼女が手に持っていたワインがドレスに掛かってしまった。

やっべぇ!リボーンに殺される!

「済みません。俺がぶつかってしまったせいでドレスが汚れてしまって、レディ今直ぐ替えのドレスを手配します。」

慌てて謝罪とドレスの手配をしようとすると彼女はやんわりと

「御気に為さらず、ドン・ボンゴレ。服は汚れる物です。そろそろ向えが来るので私のことは大丈夫です。」

俺を気遣う。

いやいや、そのドレス凄く高い物だろ?絶対俺のスーツよりも高い。しかも一点物だと思う。

「その格好で帰すなんて出来ません。俺の不注意ですから気兼ねせずに着替えて行って貰えませんか?」

話もしたいし、頑張って引き留めるため言葉を紡げば

「では、宜しくお願いします。」

少し困ったようなはにかんだ微笑で承諾を得た。

金髪碧眼の美女だと思う。それを気取っていないし、何より優しい。

一瞬、演技かと思ったが後ろで待機しているSPは彼女が帰ると意思表示した時に準備を始めていたぐらいだ。

俺が差し出した手に少し迷うように乗せられた彼女の手は、ドンナ候補としての苦労の痕があった。

しかし現実は甘くないのか彼女をエスコートしている最中に事件は起きた。

敵対するファミリーの狙撃。

俺でさえ気付かなかった狙撃に彼女は極自然にこけた振りをして突き飛ばし弾から守ってくれた。

しかも落ちていたフォークを蹴り飛ばし、狙撃犯に命中させたんだと思う。

一瞬の出来事に、あまりの手際の良さに見惚れてしまった。

女性に守って貰うなんて!

俺は慌てて警護に当たっていた山本とクロームに指示を出す。

隣にいる彼女は至極落ち着いた様子で事の成り行きを静観していた。

一段落した所で

「ドン・ボンゴレ、お怪我はありませんか?躓いてしまい申し訳ありません。やはり本日は気分が優れないので帰らせて頂きます。」

あくまで自分の過失だと言い、且つボンゴレに泥を塗らないように対処してくれた。

もっと色々と話をしたかったけど、事後処理もあり引き止めるのも間々ならず彼女は帰ってしまった。

しかし、帰る間際

「ユーフォルビアに気を付けないと…」

助言を残してくれたその優しさに俺は彼女となら結婚しても良いと思った。

案の定、今回の俺の暗殺計画はユーフォルビアファミリーが黒幕だった。無論壊滅させたけど。

あぁ、どうやって彼女を手に入れられるのだろう。





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