俺の婚約者を決めるパーティが開かれる。
凄く憂鬱だ。
この世界に入って女と云う生き物が醜く感じるようになったのはいつだったか…だからと云って男が好きなわけではないが、正直面倒臭いと思っている。
「いい加減、腹を括れダメツナ。」
暴力家庭教師の言葉に俺は
「メンドイ」
と返したら
「結婚はボンゴレを大きくする為の道具だ。私情を挟むんじゃねぇ。」
リボーンの言い分も解かる。だが、俺としては結婚なんてしたくない。
俺は深い溜息を吐いた。
矢張り俺の婚約者を選ぶという事で、マフィアの令嬢達が挙って群がってきた。
笑顔で対応するのにも疲れたのに相手は空気を読むことをしない。
化粧の臭いと香水の臭いが入り混じって臭い。どんな異臭だよ!
拷問のようだと内心愚痴るが笑顔で対応。
ウンザリしながら周囲を見渡すと一人黙々と料理とワインを飲んでいる女性を見つけた。
隣にいた獄寺君に
「あそこにいる女性は?」
と聞くと
「ロッソファミリーのドンナ候補で、名前はマリア・ロッソ。財政難から数年でファミリーを建直したと噂されています。」
「へぇ、それが本当なら有能な才女ってとこだね。」
自分を売り込みに来ないのは自信があるのか、それとも婚約自体に興味がないのか、俺は少しだけこのパーティが面白いと感じた。
「ちょっと挨拶してくるよ。」
俺はワインを優雅に飲んでいる彼女がいる方へ向った。
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