俺は三人の候補者に対し、動く的を用意させ銃の腕前を競わせた。
「お前等敵を倒して来い。」
この言い方は本当に敵が居た時を想定してのことだ。
ノーウェットとシャルドゥの令嬢は僅差なく的に弾を当てる。
しかしマリア・ロッソだけは、眼を細め2丁拳銃で早撃ちした。
ボンゴレに入り込んでいた鼠の息の根を止めたのだ。
俺の言葉通り敵を倒した。
俺でさえ気付くのに遅れたと云うのにマリア・ロッソは、この演習場に入った時から気付いていたのだろう。
的当てをして満足している二人の令嬢から失笑と嘲笑を受けても平然を受け流し、キレ掛けている傍メイドのレナを
「良いのよ、レナ。敵を倒したもの。」
静かな声で諌めた。
皆無事で何よりですねと笑顔でいられる彼女はツナには勿体無いと心底思う。
ちっ、ダメツナにしちゃ良い趣味じゃねぇか。
頭も良い・度胸も有る・懐もデカイ・カリスマがある彼女が女王と呼ばれ敬われるのも分かる気がした。
じっと見過ぎたせいかマリアは少し困った顔で
「済みません、リボーンさん。銃器系が一番苦手なんです。」
一撃で息の根を止めてしまうのでと謝罪してきた。
まぁ、誰に命じられてボンゴレの敷地内に入ったのか聞けないのは残念だが、その腕前を見れただけでも良しとする。
しかし、これだけの腕前を持っていながら銃器系が苦手って俺と勝負したらどれだけなのか少し興味あるな。
ま、おいおい話をしていけば良いだろう。
おい、ダメツナお前は他の候補から嫁を選んどけ。
マリアは俺の正妻にするぞ。
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