転職 プログラマー 私はパイナポー | ナノ


半身 [ 5/16 ]

こんにちは!

屍です。

あぁ、日本に来たんだよ。

何故?

和食が異様に恋しくなったからさ。

他に何の理由があるんだい?

あぁ、白いふっくらご飯に鯖の味噌煮、酢の物に具沢山の味噌汁が食べたい!

BlackCatとして働き始めて数年が経過したんだ。

ずーーーーーーーーーーっとイタリアで仕事してたんだぜ?

俺だって古き良き日本の飯が食いたいわ!

「屍様、マンションの手配済みましたよ。」

プリントアウトされた地図を手渡す千種に

「良くやった!それでこそ俺の下僕(なかま)!」

褒めてやったら

「屍様、もっと計画性を持って行動して下さい。犬じゃあるまいし…」

とほざいた。

ジーザス!

父ちゃん、育て方が間違ったのか?

千種は俺に似て面倒事が嫌いだからだろうか?

「ランチアーてめぇ、千種をどー育てたんじゃ!!」

せっせと繕い物をしているランチアの頭部に俺は手近にあった置時計を投げた。

置時計は放物線を描いてランチアにヒットする。

「グッハ」

う〜ん…

「ベタな文句だな。もう少し捻りの聞いた切り替えしが欲しいぜ。」

と私が笑えば

「屍!またお前は、物を壊しやがって!」

ランチアが繕い物を片手にクドクドと説教をかました。

まだまだ続くランチアの説教は右から左へオールスルーされているが、対して気にしてない。

「そう云えば転入手続きしたっけ?」

飯が目的で日本に来たのは良いが、ランチアと俺を除き犬と千種は一般常識がない。

俺が教える?

嫌だ!

そんな面倒臭い事なんてしたくないね。

前世の子守で十分だ。

てーか、俺も十代のピチピチティーンエイジャーさ!

そんな俺に

「俺がしておいた。」

ランチアが転入書類3人分を手渡した。

学校名を見て俺は

「テッメー!どーして黒耀中なんじゃ!いや、並中も恥ずかしい名前だけどさ。黒耀の制服ダサイだろ?ブレザーが良いんだよ。」

と主張するが

「じゃあ、自分でやれ。」

繕い物に没頭し始めたので俺は諦めて黒耀中に通う事となった。

くっそ、最初から指定しておけば良かった。

こうしてHOTELの仮暮らしが終わり俺達の家(マンション)へお引越しすることになる。



精神の世界で俺は変な娘に会った!

「チョッと何で私の世界に野郎がいるわけ?」

ガンを飛ばされ胸倉捉まれてガクガクと揺さぶられる俺。

「り、リバースしそう…」

真っ青になって吐きそうな俺の気配を察知したのか少女は俺から手を離し、距離を取った。

え?

それスッゲー哀しいんですけどー!

「チョッと吐くなら見えない所で吐いてよね。」

ゲロするの限定なのかい?

うっぷとまだ吐き気はあるが

「そもそも君に揺さ振られてこんな状態になったんだぜ!」

と主張するが

「はぁ?アンタが勝手に私の領域に入ってきたからでしょ。ぶっ飛ばすわよ?」

と宣った。

爽やかな笑顔を作り戦闘体制にはいる少女。

めっちゃ怖いんですけど!!

って、コイツどっかで見た事が??

云々と唸って記憶を探ってみればクロームじゃん。

性格違くね?

もっと…こう、ホワっとして癒し系っぽい性格だったと思うんだけど、目の前にいらっしゃるお方はギラギラと捕食動物のような眼をしているよ。

「で、不審者さんよー何で此処にいるのさ?」

答えようによっちゃーブッ殺すよ?みたいな少女に

「えー気付いたらいた?と云うか俺の方が聞きてぇよ!何でお前みたいな一般人が此処にいるわけ?此処は深層心理の最下層なんだぜ?」

教えてやると少女は

「へぇ、私ってそんな所まで来たんだ。」

ふーんと興味無さそうなご様子。

俺がトリップして原作ブチ壊したからか?

そっかーこんな所で弊害が出るとは。。。

「ねぇ、アンタ名前は?」

クロームだろう少女が俺の名前を聞いてきた。

「あぁ、俺は屍。お前は?」

「凪よ。て謂っても誰も私の名前なんて呼ばないのよね。」

チョッとだけ寂しそうに笑う少女に

「じゃあ、これから俺が凪って呼ぶから良いんじゃね?俺も6歳までは名無しだったしさー自力で名前を付けたけど。」

あそこじゃ696号とかふざけた番号名だったしな。

「へぇ、意外だわ。もっと愛されて育ったんだと思ってたけど苦労してんのね。」

カラカラと笑う凪に

「おーこれでも苦労してんだぜ。そうそう、俺さ日本にいるんだ。黒耀中に近々転入する予定なんだ。お前は何処に通ってんの?」

話題転換した。

凪は

「黒耀なんだ。私もだよ。そこで裏番長やってるけどねぇー」

ドス黒い発言をかます。

何だかんだと俺と凪は意気投合し、手近に黒耀町でも支配すっかと結論を出して分かれた。


こうして俺は生涯なる半身と出会った事になる。

そして原作通り彼女のネーミングセンスの無さに愕然とするのはまた次の機会に…


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