彼は俺の愛しい人 [ 15/16 ]
俺の世界が色付いたのは、彼が並中に来てから。
イタリアから来た災厄(リボーン)に巻き込まれ俺の人生は波乱万丈になった。
次々と増える常識皆無な下僕(仲間)達。
トラブルに巻き込まれ惰性的な生活は一変した。
物凄く嬉しくない。
イタリアマフィアにボスにすると豪語するリボーンに俺は正直鬱陶しく思っていた。
何が哀しくて裏世界に足を突っ込まねばならないんだ。
お先真っ暗な人生に俺は半分諦めの境地に至っている。
俺達の事を知っている気持ち悪い風変わりな神埼メイルという転入生。
彼女は何かにつけて俺達に纏わり着いて来た。
正直、リボーンが持ってくるトラブルと神埼のウザさに辟易していた所に屍が来たんだ。
一目惚れってこういう事をいうのかな?
最初は気になる女子生徒だと思ってたけど、日が経つに連れ違和感が俺の中で芽生えてきた。
やんわりと神埼から俺達を離し、気心知れた京子ちゃん達とも調和を取る屍の気遣いに俺は心が救われたんだ。
並盛襲撃事件が多発し、リボーンはボンゴレ関係で俺を標的に襲撃しているのだと言う。
下僕(仲間)達も襲撃に遇いこれ以上俺の平穏生活をぶち壊されたくなかったから、本当に仕方なくリボーンが何処からか持ってきた情報で敵の根城に特攻した。
文字通り特攻。
途中、妨害があったが順調に歩を進め襲撃の黒幕まで辿りついた。
容姿が変わっていたが、間違いなく彼は俺の隣の席の屍だと確信したんだ。
「リボーン、俺がボスになったら屍は俺の物に出来る?」
隣にいるリボーンに尋ねる。
リボーンは、俺を怪訝そうに見て屍を見た。
「……そうだな。アイツが部下になればお前のモノになるぞ。」
その言葉に俺は決意する。
「そう……じゃあ、ボンゴレのボスになってやるよ。」
あぁ、屍、早く俺のモノになってよ。
平穏を棄てた少年の呟き。
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