六道家の憂鬱 [ 9/16 ]
真面目に勘弁して欲しい。
神崎メイル駆除をする前に我等が紅一点(女王様)がブチっと切れて沢田綱吉の試練になる前に沢田ごと抹消と恐怖の事態になるかもしれない。
「ねぇ、あの勘違いブスを殺っても良い?」
般若が見えます!
怖えぇーよ。
犬なんて尻尾を丸めているじゃねーか。
千種なんて半泣きじゃねーか。
俺?
俺はドン引きしてるだけだ。
唯一ママンことランチアだけが
「クローム、依頼を完遂しなければ家計が危ない。此処は我慢してくれないか?」
クロームの頭を撫でて宥めた。
いつもならママン(ランチア)が言うならとランチアの言う事だけは聞くクロームが
「ママン家計も大事だけど、私が病気になっちゃうわ。毒電波を常に発信し続けているのよ!」
目薬片手に切々と語りだす。
芸が細かいなクローム。
そんなクロームの名演技に胸を打つランチア…見る目無いな。
このメンバーで一番純粋な彼だから仕方ないのかもしれないが…
「クロームにランチア、神崎についてはいつでも処分出来るんだ。処分する時に憂さを晴らせば良いだろ?」
提案を一つ出せば
「今直ぐにでも処分したいんだけど!」
アグレッシブな我が半身よ、目薬からいつの間に手榴弾にクラスチェンジしたんだい?
それで神崎をふっ飛ばしたいって意思表示だろうけどさ。
「俺だって今回の仕事が無かったらサクっとデリートさせたいぐらいの人間だけど我慢してるんだぜ。ボンゴレに睨まれたら俺達の行動が大幅に制限される。」
裏社会で生きていく上で大きな後ろ盾はあった方が良い。
クロームにありったけのデメリットを並べ立て、尚且つ今回の依頼で神崎を抹消してしまえば良い事だ。
あんな薄っぺらい戸籍なんて直ぐに書き換え出来る。
と口八丁手八丁でクロームを頷かせた。
しかし何か忘れているような??
生前で我が娘が黄色い雄叫びを上げていた事に関係するような気がしないでもない。
温くなったコーヒーを口に含み少しだけ味の落ちた事に眉を顰めた。
「ボンゴレの依頼と平行して神崎の身辺整理及び抹消って事でOK?」
身辺整理するまでもないと思うけど、一応アレにも知人がいたら厄介だからね。
学校は転校したとか言えば納得するだろう。
てか、神崎に付き纏われているボンゴレ’Sは諸手を挙げて喜ぶんじゃないだろうか?
やる事が増えたと私は小さく溜息を吐いた。
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