勘違いも程々にしろよ
-SIDE 神野マリア-


ルークは逆行しているのかもしれない。

だって私がいるんだよ?

ジェイド達を捕まえるなんて有得ない!

それに一人バチカルに放り出された私を気遣おうって思わないの!?

私がヒロインなのに屋敷に招くなりするんじゃないの?

そんな私を保護してくれたのは、アスランさん。

お気に入りのキャラだったから特別にしてあげる!

でもルークの我儘は許せないなぁー。

ゲームでは可哀想かな?

って思ったけど本物みればティアの言う通り傲慢だよね。

だってアスランさん達だけを屋敷に招くんだよ!

ヒロインの私を置いて…マジで有得ないよ。

アクゼリュスの道程もずっとアスランさん達はずっとルークの傍にいた。

何で!?

こんなに可愛い私がいるのにどうしてルークの傍なのよ!

ディストやアリエッタもルーク側にいるし、色々と間違ってる。

ルークが逆行しているからなのかな?

一人でも多くの住人を救いたい気持ちで一杯だった私達は手分けして作業をしたわ。

ジェイド達が14坑道にまだ住人がいるから助けに行こうって事になったけどヴァンがルークを使ってアクゼリュスを崩落させるのは知っているんだもん。

でもね、今まで私の邪魔をしたルークを助けようとは思わないわ。

だってアスランさん達を独占してたんだから!

まぁ、ルークが素直になったら考えても良いかもね。

アクゼリュスは崩落し、ティアが歌うユリアの譜歌で何とかなったのは良かったけどタルタロスがいないってどういうこと!?

仕方ないから理不神にユリアシティまで連れてって貰った。

道中に何か言われたけど覚えてない。

早くアスランさんに会ってルークを断罪しなくっちゃ!

なのにどうしてアスランさんは私の味方をしてくれないの?

本物のルーク、アッシュは私達のところにいるんだよ!

そっちの“レプリカルーク”は偽者なんだよ!

アスランさんに庇われている“レプリカルーク”が許せない!




-SIDE ハルキ-


ユリアシティで私が超振動でアクゼリュスを崩落させたと意味不明な事を喚きながら斬り掛かって来た赤鶏と、何故かアクゼリュスに置き去りにしたはずの非常識軍団。

アスランさんが庇ってくれたけどね。

「この屑がっ!ヴァンに命令されるまま超振動を使いやがって!」

吐き捨てられた言葉に私は

「態度が悪い、頭が悪い、人相が悪い、品が無い、常識も無いって…お前マジで良い所がないな。本当に六神将なのか?」

アリエッタでも最低限の常識は弁えていたぞ。

本心で聞けば赤鶏は顔を真っ赤にして

「はん!話を摩り替える気か?それともアクゼリュスを滅ぼした罪の意識から逃げてる腰抜けか?劣化のレプリカ野郎!テメェーは俺の模造品なんだよっ!」

的外れな事を言い出した。

「で、言いたいのはそれだけか?」

アッシュにしてみれば最大の切り札だったのだろうが、私からしてみればレプリカって何を今更な話である。

後ろにいるイオンやシンクはダアトの面汚しだと愚痴を零し、ガイに到っては

「ルーク様、害虫は駆除しておきましょうか?」

抹殺許可を求めてきた。

剣に手をかけいつでも抜刀出来るガイは実に良い笑顔だった。

そしてアッシュの被験者発言に非常識軍団が各々好き勝手な事を言い始める。

ティア、アニスに関してはイオンが絶対零度の微笑みと毒舌に晒され、シンクに限っては譜術を問答無用手加減なしで喰らわせた。

ジェイドに関してはアスランがキッチリと躾をしている。

赤鶏に偽姫はガイが対応し、ゴブリンは嫌だが私が対応する事になった。

流石モンスター話が通じない。

アイツ等も言葉が通じないが、話は理解出来たのに!

仕方が無いので、近くにいた兵にゴブリンを捕らえるように命じると非常識軍団から非難の声が上がった。

「あのさ、アッシュの言うパッセージリングの前に行って先ず超振動を起こしてないんだけど。」

アッシュの言葉を否定すれば口々に嘘だなんだと言い掛かりを付けた。

封印術を掛けまくったヴァン・グランツを引き摺り出して事の真相を聞いても良いがサッサと外殻大地に出たいのが本音だ。

「それにな、俺にはきちんとハルキ・ヴィスペリアって名前があるんだ。アッシュがダアトに亡命しなけりゃ俺が影武者になる事も無かったわけだ。分かるか?」

政務者用に名乗っている名前があるのだからアッシュがルークに戻る準備ならしてあっただけの事で、本人は戻らずカインツール軍港を襲撃したからルークを名乗る事は無理だけどな。

アッシュがルークを名乗る事になったらファブレ家の面目は丸潰れだし、キムラスカの住民達が黙ってないだろう。

「う、嘘だ!!テメェーは俺の居場所を盗った卑怯者だろーがっ」

どうしても認めない赤鶏に私は溜息を吐いた。

「アスランさん、罪人の捕縛をして頂いても?」

アスランさんは私の言葉に頷きティア、アニス、アッシュ、ジェイド、ゴブリンを捕縛する。

「な、どうして“ルーク”を捕縛するのです!偽者はあちらですわ!それに彼女達は私の仲間です。早く縄を解きなさいっ!」

マルクトの兵に命令する偽姫ナタリアに冷たい視線が突き刺さった。

そんな視線もなんのそのナタリアは平然と私をアクゼリュス崩落の大罪人であると喚いたのだ。

「王命に叛いた反逆者が何を偉そうに他国の軍人に命令を下しているんだ。」

ガイの尤もな指摘にナタリアは顔を真っ赤にして怒り狂った。

アスランさんもナタリアの暴言にこれ以上聞くのも嫌だとばかりに捕縛し、牢屋へ送り込む。

擦った揉んだの末に外殻大地に出る事が出来たのだが、ゴブリンによって大きな問題が待ち受けているのを私が知る由も無かった。


勘違いも程々にしろよ!!


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