ND2000。ローレライの力を継ぐ者、キムラスカに誕生す。

其は大族に連なる赤い髪の男児なり、名を聖なる焔の光と称す。

彼はキムラスカ・ランバルディアを新たな繁栄に導くだろう。


ND2002。栄光を掴む物、自らの生まれた島を滅ぼす。

名をホドと称す。

この後、季節が一巡りするまでキムラスカとマルクトとの間に戦乱が続くであろう


ND2018。ローレライの力を継ぐ若者、人々を引き連れ鉱山の街へと向かう。

そこで若者は力を災いとしキムラスカの武器となって街と共に消滅す。

しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれ、マルクトは領土を失うだろう。

結果キムラスカ・ランバルディアは栄え、それが未曾有の繁栄の第一歩となる


ND2019。キムラスカ・ランバルディアの陣営はルグニカ平野を北上するだろう。

軍は近隣の村を蹂躙し要塞の都市を進む。

やがて半月を要してこれを陥落したキムラスカ軍は玉座を最後の皇帝の血で汚し高々と勝利の雄叫びをあげるだろう。


ND2020。要塞の町はうずたかく死体が積まれ死臭と疫病に包まれる。

ここで発生する病は新たな毒を生み人々はことごとく死に至るだろう。

これこそがマルクトの最後なり。

以後数十年に渡り栄光に包まれるキムラスカであるがマルクトの病は勢いを増しやがて、一人の男によって国内に持ち込まれるであろう。

かくしてオールドラントは障気によって破壊され塵と化すであろう。

これがオールドラントの最期である。




とうとうこの日がやって来たか…

思えば濃い７年間だったと思う。

シアン（被験者イオン）、シンク、イオン、フローリアンを保護してディストとアリエッタを仲間にしたりと忙しかった。

目的であった赤鶏に関しては駄目だった。

あの髭の暗示もあるんだろうけど人を見下しプライドがエベレスト並みに高く、自分の都合の良い様に現実を受け止める鶏に頭が痛い。

帰って来いと説得しても

「劣化のレプリカの癖に俺に指図すんじゃねぇー屑がっ！」

と暴言を吐かれた時、ガイは剣を抜こうとするし、シアン達はダアト式譜術をぶっ放しそうで止めるのに必死になったさ。

これでアッシュが自分の意思でキムラスカからダアトに亡命した事が明らかになった。

その旨を父上と母上に伝えたら嘆かれたっけ…

慰めるのに苦労したんだぞ！！

しかもシアンが惑星預言を詠んでくれちゃってさ父上と母上は卒倒。

可愛い我が子（私）を死地に追いやるだけでなく、星すらも滅亡の生贄にするのか！

と大激怒。

預言に傾倒している愚王が耳を傾ける筈が無いのでマジで王位簒奪（クーデター）を企てている両親に拍手を送ったよ。

因みにアスランを通してピオニー陛下と手を組んだのは自然の成り行きと言って欲しい。

それにしても栄光を掴む物＝髭（ヴァン･グランツ）と知ってから更にヴァン嫌いに拍車を掛けた。

まぁ、先触れも無く図々しくも公爵邸に訪れ、公爵子爵にタメ口で馴れ馴れしくする態度に屋敷中の者が不快を示している事に気付かない髭は出禁にされたのは言うまでも無い。

そんな髭が我が家に先触れも無しに訪問し迎え出た父上と母上の背後に般若を見たのは幻覚ではないはず…。

そして無理矢理外に連れ出され剣の稽古だと木刀を持たされ襲撃犯に誘拐された。

その後は酷かった。

私はレプリカであっても王族であり、王位第三継承者で次期キムラスカの王なのだ。

が、この非常識女は言うに事欠いて

「貴方を連れ出したのは事故よ。」

「兄さんを狙ったのは貴方には関係の無いことだわ。」

「私は後衛なの！ちゃんと守って！」

等など超自己中な理論を述べた。

私はこの時、宇宙人と会話している気分になった。

宇宙人または軍人コスプレ趣味女から私は逃げたさ。

家の事も心配だが、今は自分の精神が崩壊しないか心配だ。

後でメイドや白光騎士達に咎がいかないように手紙を出さないと…

ティアを振り切って辻馬車にエンゲーブまで送って貰い私はローズ邸まで向った。

その翌日に宇宙人（ティア）が食料泥棒として捕まったのは良い気味だと笑った。

私？

そんなヘマするわけないじゃん。

きちんと事情を説明して保護を受けているからね。

まぁ、イベントは進みライガクイーンの説得の際にもティアがしゃしゃり出てきて交渉がオジャンになるかと懸念したがイオンがティアを張り倒し説得（おどした）し快く立ち退いてくれた。

その後が良くなかった。

ジェイド･カーティスによる捕縛に対し、絶対零度で微笑んでいるイオンが怖い！

この事がシアン達に知れたら激怒する事間違いなしだろう。

コイツ本当に和平を結ぶ気があるのだろうか？

私がピオニーを知らなかったらどうするんだ？

てーか、大体和平を結ぶのに軍人を遣すなよ。

普通交渉に長けた文官を遣すのが道理だろう！

ピオニーお前、思いっきり人選を間違えてる！

しかも次期王を見下し、あまつ和平強要ですか！？

どれだけ常識が欠落してるねんっ

と心の中で突っ込むが顔には出さない。


「和平に協力するつもりはない。」


宣言した途端、襲撃犯からは非難轟々、胡散臭いネクロマンサーからは捕縛宣告。

あっはっは！

無能な上司に部下は真っ青な顔で私を捕縛。

マルクトに帰ったら死刑かもなー

凄く憐れに思えるよ。

イオンの米神が浮かんでいるのは敢えて見なかった事にした。

その後？

中佐が無能な上司の非礼を土下座して詫びたけどね。

マルクトが非常識なのではなくて、あいつ等が規格外だったのね。