怠惰生活から縁遠くなったマリア・フリングスです。
てーか、人間から黒猫にジョブチェンジしたかと思ったら半人間になった。
管理人、てっめぇ野郎ぶっ殺す!
と思った私は悪くない。
猫耳に尻尾ってどんなプレイだよ!
断じて私の趣味ではない。
私の好きな格好は芋ジャーだ!
そんな私の葛藤を余所に我が飼い主は真っ赤になって固まっている。
どうした?
ペタペタとアスラン青年の前に立って顔を覗き込み心配してみれば思いっ切り顔を逸らされた。
失礼な男だな!
数分後、何とか立ち直ったアスラン青年が
「もしかしてマリアですか?」
半信半疑で訊ねてきた。
まぁ、普通猫が人間モドキになるなんて想像がつかんわな。
私でも頭を疑うし!
野良になるのも困るので
「初めまして、ご主人様。マリアです。」
ニッコリと愛想笑いをした。
多少顔が引き攣っていようが文句言うな!
「取り合えず、コレを着てくれませんか?」
アスラン青年が上着を問答無用に渡され着せられた。
ボタンが多くて着方が解らない。
羽織れば良いかとボタンを留めなかったら
「………失礼します。」
真っ赤になって着せてくれた。
甲斐甲斐しいな!
こんな貧相な女の裸で真っ赤になるって童貞か?
と失礼な事を思っても顔には出さない。
「えっと、どうしてその姿に?」
ドモッテますぜ旦那。
私にも解らねぇーよ!と心の中で罵るが表情はキョトンとして
「起きたら人間?になってました。きっとご主人様とお話出来るように神様がお願いを叶えてくれたんですね!」
と超痛い言い訳をぶっこく。
それを信じたアスラン青年!
本気でそんなアホで痛い言い訳を信じるのか?
私にとっては都合が良いが…
しかし、半人間になったこの姿が後に大騒動を巻き起こす要因になるとは露にも思ってなかった。
そんな面倒臭い事なら一生猫の方が良かったわ!
と彼女がブチっと切れるのはそう遠くない未来である。
称号:人間モドキ