聖戦

-SIDE マリア-



ピオニーより送られた純白の戦装束を纏い私は戦場に立つ。

「天意は我に在り!星の滅びを望む魔女を!キムラスカを討つ!死を望む者は掛かって来れば良い。生と平穏を望むのであれば道を開けよ!」

高々と上げる声に味方は士気を上げ、キムラスカ軍は怯んだ。

向かってくる敵を譜術で一掃し駆け抜ける。

やっと決着を付ける事が出来る。

狂っていると罵られても構わない。

私は彼等に復讐する為だけに生きて来たのだから!

キムラスカ王城を目指して駆け抜けた。

向かってくる敵を譜術と剣で薙ぎ払い、赤く、紅く、朱く、血(あか)く染まる私。

今頃、アッシュ達が殻外大地降下の準備を初めている頃だろう。


復讐に溺れた魔女は嗤った。



-SIDE キムラスカ兵A-



私は見た。

戦場に舞う戦女神を…

世界の国々に見放された我等キムラスカは滅亡の一途を辿っている。

ユリア再来と担ぎ上げた少女は役に立たず、挙句の果てに惑星消滅を目論んでいるという。

導師イオンよりユリアが残したのは惑星消滅予言である事を公式に発表されたにも関わらずキムラスカ王は、私達に死んで来いと戦場に放り出した。

「古に封じられし力、魔を砕く浄化の炎となり敵を焼き尽くせ、フレアスター」

第五音素が凝縮し、上空から輝く炎が我等キムラスカ兵を焼き尽くす。

一気に戦意喪失する我等に

「惑星消滅を望む魔女に与するか!その先に安寧の未来はない。」

混戦する戦場に凛と響く声は、我等の心を揺さぶった。

滅びの為に戦うのか?

と問われる声に一同狼狽する。

「幸福を望む未来を得るのであれば退くが良い、星に住まう民よ!ユリアの予言と共に消滅を望むのであれば立ちはだかれ!我が剣で切り伏せ道を作る。」

絶望か希望か選ぶ事を示す戦女神に私を含め次々と同胞達が剣を捨てた。

彼女は剣を捨てた我等を害することなく保護をしてくれた。

負傷した者達は

「天空の至上なる旋律を紡ぐ、万物に宿りし生命の息吹を呼び戻せ、ホーリ・エンジェルブレス」

凝縮された第六音素と第四音素が入り混じり一瞬にして傷を癒す。

その力にキムラスカこそ神に見放されたのだと確信する。


後の世に聖戦ビシュテム、天上より使わされた慈悲深き戦女神として語られる事となる。




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