暗く、暗く、どこまでも果てしない闇に俺は恐怖する。
以前の世界よりも違う未来を歩み出している世界は俺の知らない事ばかりで戸惑う事も多かった。
ローレライは相変わらず俺に過保護だし、ヒメコという少女は俺の味方だという。
でも、違和感を感じるんだ。
ローレライには悪いけど、俺は彼女が信用出来ない。
助けたいという言葉は本当なのかもしれないけれど、何かが違うんだ。
イオン達と仲良くなりたくてもどこか一線を引かれていて、それはまるでこの闇を表しているかのようで怖い。
夢だと理解しているのに…
アクゼリュスの悪夢を思い出す。
「…みんな……」
ポツリと呟いた俺の声に
「お前の言う皆ってあの偽聖女か?糞音素集合体か?」
冷淡な俺の声。
ビックリして声の方へ視線を向けると大きな檻に繋がれた俺がいた。
「何を驚いてんだよ。」
軽蔑と侮蔑と憎悪の眼で俺を睨み付ける俺に
「お前は誰なんだ?」
問い掛ける。
怖いと思った。
「俺は、お前に上書きされて消されたルーク・フォン・ファブレだよ。」
ヒュっと息が詰まる。
俺は何て事をしたんだろう?
沢山の命を救いたいという想いからローレライに誘われて逆行して未来を変えられると有頂天になっていたんだ。
どうして気付かなかった?
「なぁ、ルーク。」
無表情な俺が俺に声を掛けた。
その声に温度はない。
「 」
堅牢な鉄格子から伝えられた俺の言葉に俺は涙を流した。
目覚めれば、真っ白なローブを羽織ったルナと名乗った奴が傍にいた。
俺の涙を拭う手は優しい。
全てが違ったのは当たり前なんだ。
世界が違うんだから!
俺が消してしまった此の世界の俺が怒るのも解った。
俺は以前の世界の罪を消そうとした浅ましい奴だったんだ。
ごめんなさい、と謝罪を繰り返す俺に彼は何も言わずに傍にいてくれた。
鏡面世界で出逢った俺が上書き(消して)しまった俺。
---------
追記:
逆行ルー君と現行ルークの対決でした。
でもよく考えればどっちも7才児なんですよねー。
逆行ルー君は、主人公のお腹に赤ちゃんが宿っていた事は知りません。
その辺はロレ様と聖女様が隠してたって事で!
今後、逆行ルー君が救済ルートに入るかは思案中だったりします。
いくら反省しててもね、罪が大き過ぎなので今の所は救済はないかなー(鬼)
アンケかキャラ投票で救済希望が多ければ考えます。
逆行ルークVS現行ルーク