ローレライ
繰り返すは絶望。

我が同位体である二人のルークは、人の業によってその命を燃やした。

アッシュと名乗る“ルーク”を世界に還せば、狂った果てに自らの死を望んだ。

ルークを世界に還せば、世界がルークを責めた。

私は絶望する。

世界は『ルーク』を消滅(ころ)すのだ。

世界が憎い。

何故、私の同位体なのだ?

何故世界は二人の『ルーク』を排除するのか!?

諦めたくなくて、諦められなくて私は時を遡った。

何度も、何度も、何度も、繰り返す。

終焉を目指す世界は、二人の聖なる焔によって救われる。

ユリアが視た消滅預言とは異なる世界。

世界を救った焔達は、世界に殺された。

バラバラと散って行く二人の『ルーク』


あぁ…、またやり直さなくては……・・・


ユリアが私に捧げた古の唄に私は耳を傾けた。

《私ならアッシュを!ルークを救うのに!!何故なの?どうして私は此処にいるの?彼等は生きているのに!!》

哀しみと絶望を織り交ぜた音に私は歓喜する。

彼女ならば二人の焔を救ってくれるのではないか、と。

私は彼女を連れて世界を飛んだ。


深淵の扉が開かれた。



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