私のクラスに頭のオカシイ子がいる。
現実と妄想の区別がつかない子。
クラスの皆から嫌われ遠巻きにされている子。
「ねーあいつ学校に来なくなったねぇ〜」
清々したとばかりに嗤う友人に私も同意した。
「本当、オタクも大概にして欲しいよねー」
良識のあるオタクはゲームを現実だ!
なんて痛い発言はしないもの。
「でもさ、もしアイツがゲームの世界に行ったらどうなるかな??」
ニヤニヤと意地悪な顔をする彼女に
「あの容姿であの性格なら無視(シカト)されて終わりじゃない?プロローグも始まらないって!」
模範解答はお手の物。
「あぁ、でもマリアみたいな美人になったら変わるかもね!」
雑誌の表紙を飾るトップモデルのマリアの名前が出た。
「マリアってミステリアスな美人だもん!そりゃ変わるかもね!そうそう、MOMO見た?特集組んでた時のバック買ったんだ!」
羨ましいと声が上がる中で、私達は消えた頭のオカシイ子よりもファッションの話題で盛り上がった。
少女が捨てた世界は、世界が少女を排除した。