詠(詐欺)師になったおっさん
※今回は都合上レプリカイオン’Sは存在しません。



おっさんはダアトの立派な詠(詐欺)師であ〜る。

アニョハセヨ!

何故か呪われてるんじゃね?

と思うぐらいにループしているおっさんです。

ダアトアレルギーな上にボン・レス・ハムこと豚…えへ、大詠師の直属詠師って!!

おっさんに対して何の苦行!?

人生に逆境は付き物だもの!

おっさんの場合は憑き物だけどね!

オリジナルイオンを抱き込み、付属でアリエッタが付いてきた。

おっさんの快進撃は留まらずヴァン・グランツとアッシュの身包み剥いで辺境の地に左遷に追い込み、オスロー姉弟を抱き込んで、酔っ払ったラルゴに美人に襲わせ既成事実を創り上げ、ディストをおっさん側に引き込んだわよ!

過去の経験も生かしているからおっさんの敵では無い!キリ☆彡


おっさんの一日は早い。

先ずは早朝4時に起き出し肉体作りをするのよ!

これは前回マルクト騎士だった習慣が抜けてないのよね。

まぁ、カルト派をボコボコにするには鍛錬も必要だし、ストレス発散の的が向こうからやってくるんだから気にしないわ。

次におっさんの仕事は豚の餌を作る事よ。

肉なんて豪華な物はありません。

野菜オンリー!

朝6時に豚こと大詠師モースの部屋に突撃し、ベットの中で夢を見ている豚をアブソリュートで爽やかに起こし、ついでに顔も洗ってやるおっさんは慈悲で溢れているわ。

「殺す気か!!」

モースの悲鳴に

「予言にアブソリュートで起こしなさい、と詠まれてましたので頑張りました。」

大根役者真っ青な棒読みでも豚モースは

「そうか、それは仕方ないな…」

納得する始末。

凄いな予言!

「本日のスケジュールですが、午前中に書類を終わらせ、午後からはアリエッタ師団長からグリフォンを借りてザオ遺跡でサンドワーム退治をし、ダアト帰還後に予言万歳と教団を一周して頂きます。」

常識人だったら絶対にしないだろう胡散臭い予言を大真面目に宣うおっさんの言葉に

「そうか、中々ハードだな…」

引き攣った顔をしながら予言遂行しようとするモース。

豚よ、少しでも可笑しいと思わないのが、おっさんとっても不思議なの。

ファイト!とばかりに草々しい朝食を出せば

「肉は無いのかね?」

苦々しい顔をするモース。

豚に肉をやれば共食いになるから草にしてやっているのに、おっさんの優しさが解らないのね!

「では、朝食抜きで書類の片付けをお願いします。」

サッサと朝食を下げ、目の前に書類の束とペンとインクを置いてやったわ。

あぁ…モースの手が朝食に伸びるが無視よ!

おっさんは、心を鬼にして(おっさんが楽しい)予言遂行しているんだもの。

日々バリエーションを欠かさずに豚モースが愛している予言をイオン様協力という名の権力の下で厳かに告げて実行させるのは楽しかったわ!



そして月日が過ぎ…

こんにちは、学習能力が欠落したおっさんです。

豚と呼べないモースが誕生しました。

決しておっさんが生みの親では無い!

何故か予言嫌いになったモースは、日々鍛錬所に顔を出しては新人いびりをしている。

最近では、予言中毒集団のユリアシティを滅ぼす計画を立てているのだから豚から人へ進化出来て良かったわね。

でもね、試練はこれからなの。

何てたって世紀末犯罪者ティア・グランツがキムラスカで問題を起こすんですもの。

予言嫌いになったモースは世紀末大犯罪者確定になるティアも予言中毒者の親を持つアニスも毛嫌いして入団させなかったぐらいだものね。

アニスについては教団の品位が落ちると面接でスパっと言い捨て退場したぐらいだし、ティアについてはユリアの子孫だろうが常識欠落者を矯正する場では無い!と推薦者テオドーロ・グランツと無礼者ティア・グランツを一喝してダアトから放り出した。

文字通りダアト追放である。

そして予言の年、モースの機嫌は最高潮に悪かった。

「あの糞ガキ…」

一枚の置手紙を見て般若になったモースに

「マルクトに抗議してから捕獲しませんか?」

妥当な提案をするおっさん。

性格が捩れて導師を糞ガキ扱いするモースの神経の図太さもそうだが、死の予言を蹴り飛ばしたオリジナルイオンの行動力は凄い。

マルクトの身包みを剥ぐつもりで態と誘拐されたのね。

「おぉ、そうだな。只でさえS級危険物をダアトから放ってしまったのだ…全ての責任はマルクトに取って貰わねばな!!」

導師イオンを危険人物扱いするモースの額には青筋が立っていた。

いたくご立腹のようである。

前回のナタリアやジェイドといい、おっさんが教育(調教)した結果が残念な方向に向かっているのは何故かしら?

マルクトへ怨嗟の声を上げながら抗議文を認めているモースに追い打ちを掛けるが如く

「大詠師モース様、大変です!キムラスカより信託の盾の制服を纏った女がファブレ公爵家を襲撃し、御子息であるルーク・フォン・ファブレ様を誘拐しました!!」

礼儀もすっ飛ばして駆け込んで報告する兵士の顔色は真っ青を通り越して真っ白だ。

おっさんは大まかなストーリーを知っているので慌てな〜い。

フリーズしたモースも逸早く復活し

「導師の回収からファブレ子息救出に変更だ!!」

声を張り上げビシビシと指示を出していった。どうせイオン(糞ガキ)は放っておいても飽きたら自力でお土産持参で戻って来るからな!

と不敬な発言だが、バイタリティ溢れる導師イオンを知っている彼等はモースの言葉に納得を示す。

おっさん?

さり気無くモースにルー君の居場所を告げて、アリエッタのお友達を借りてタタル渓谷へ向かうに決まっているわよ。

キチなティア・グランツにルー君が汚染されたらどうするの!!

現在イオンが誘拐(という名の旅行)されている中でモースはダアトを留守にする事が出来ないからね。

代理の詠師を立ててキムラスカへ事情を説明しに行かせると思うわ。

イオンにも情報は直ぐに伝わるだろうし、きっと巧く立ち回ってくれると思うのよ。


そしておっさんは無事にタタル渓谷でルー君を無事に保護たわ。

誤算だったのがイオンとモースがルー君を気に入ってキムラスカへ返さない事ね!

色々な意味でアボンなキムラスカと、ある意味ドボンなマルクトにルー君を渡せない!

と自己主張する彼等はどうせ予言ではキムラスカとマルクトは戦争するんですし期を見て乗っ取れば良いじゃんと鬼畜外道を直進していた。

ルー君誘拐事件を全てマルクト帝国と予言派に擦り付けダアトの外では色々と騒がしくなっている。

「ふふふ、もう少しですね。あ、ルークこれ美味しいですよ。」

マルクトとキムラスカから搾り取る算段をしながらルー君を餌付けするイオン。

「わ、良いのかよ!?美味ぇ!!サンキューな!」

キラキラと疑う事を知らないルー君の可愛らしさにメロメロになるおっさん達。

「エンゲーブ、セントビナー、シュリダン、ベルケンドは確実に手に入れたいですな。それと導師イオン(糞ガキ)、お仕事をなさって下さい。ルークはお勉強の時間ですよ。」

勉強が出来なければアビスマンになれません、と平気で嘘をぶっこくモースにおっさんとイオンは呆れた視線を送った。

そんなこんなでダアトは今日も平和である。


おしまい






prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -