元騎士で傭兵のおっさん


こんにちは、傭兵のおっさんになった私です。

前回は辻馬車でルー君を助けて美女にウッハウハされながら天寿を全うしたおっさんですが、何の因果かまたオールドラントに転生しました。

ピチピチではなくムチッムチになったおっさんの心境はorz…

肉体は働き盛りの三十台中年のおっさんだけど精神年齢は賢者っすよ!!

そんなおっさんの若かりし頃はキムラスカの騎士だった。

ついでに上位貴族の次男坊だったりする。

コレ自慢!

そっこそこ騎士団長まで登り詰めたは良いけど肉食獣(貴族令嬢)に慄いて辞めました。

だっておっさん小心者だもん!

でも予言で傭兵になるって詠まれているって辞表を出したらアッサリと受理された時は心底キムラスカ終了の文字が流れたわ。

ノー足りんの愚王と愚王女がトップのキムラスカが滅亡しようとも今回もルー君を助けよと天の思召しなのね!

そして犯罪者集団を殲滅せよって事かしら?

得にティア・グランツをメッコメッコにしたい。

辻馬車のおっさんの時に一時だけだけど味わった苦痛は今でも忘れてないわ!


そんなこんなで前回では欠片も面識が無かったラルゴとリグレットにディスト、シンクにアリエッタを引き込んでやったわよ!

パイナップルざまぁー

と高笑いしたおっさんは悪くない。

え?どんな手を使ったかって?

決まってるじゃん。

リグレットは既成事実を作って嫁にして子供が出来た!

ラルゴは奥さん無くして悲嘆に暮れてたからクイーンから預かったアリエッタの世話をしている内に絆された。

復讐するよりもアリエッタの子育てに重きを置いている。

ディストは煽てまくって親友だ・天才だと持て囃したらアッサリとおっさんに着いた。

チョロイと思ったおっさんは常識人だ!

一番厄介だったのはシンクだった。

あのネガティブでおっさんまで凹んだわ。

しかし2歳児のシンクより精神年齢が低いディストのお蔭でシンクは文字通りディストの御守り役として復讐以前に日々を生きる羽目になった。

文字通り辛苦だね!

おっさんと愉快な仲間達でルー君を救済しつつ犯罪者断罪と逝こうぜ!



な〜んて思ってた時がありました…

おっさん、ティア・グランツで非常識で耐性が付いたと思っていたら大間違いでした。

この宇宙人共は何を考えてるんだろう?

三度目の人生なのでゲームの内容って大まかな事しか覚えてないのよねぇ。

だから王族であり親善大使のルー君を肉盾にして戦っている非常識共に頭痛がしたわ。

ありえぬぇーー!!

と叫んだのは私だけではない。

元軍人だったおっさんの嫁ことリグレットは額に青筋が浮かんでいたし、傭兵で名を馳せたラルゴは武器を研いでいるし、ディストは幼馴染の駄目軍人っぷりに絶望し地面に泣き付いており、シンクは自分と同じ存在で違うホイホイと攫われたレプリカイオンに対して鬱憤が溜まっているようだ。

唯一アリエッタだけが

「あれが世界の常識、ですか?」

とおっさんに聞いてきた。

全力で違うって言ったけどね!!

段々と般若になってきた嫁達に駄軍人共と護衛剣士ぃ仕事しろよ!

おっさん怖いのよー

と泣き叫びたかったのを我慢した。

ルー君を助けるにはオアシスが丁度良いんだもん。

堪忍袋の緒がぶった切りしそうになるのを各々我慢してオアシスまでルー君の護衛をしましたとも!

和平反対の勢力からルー君を守るため、そしておっさん達のストレス発散をする為に襲ってきたゲス共は一発昇天したわね。

そしてオアシスに到着し、親善大使一行が【信託の盾に誘拐された導師】の救出を親善大使のルー君に強要した瞬間、地獄の閻魔様も逃げ出す般若が光臨しました。

うちの奥さんです。

譜銃で駄眼鏡ジェイド・カーティスと似非護衛剣士の害・セシル、ガルドの鬼な娼婦軍人アニス・タトリン、世紀の大罪人ティア・グランツ(こいつは軍人を名乗っちゃダメだと思うんだ、おっさん)、反逆王女ナタリア達に早打ちガンマンの如く発砲。

男性陣は股間、女性人は頭部に綺麗に命中した。

悶絶する男性陣と禿げになった女性陣は一斉に悲痛な悲鳴を上げた。

子供達は拍手喝采でリグレットを褒め称え、ディストとラルゴとおっさんは股間を抑えた。

超怖い…

一人だけ無事なルー君はオロオロと彼等を心配している。

何て優しいんだ!!

「ルーク・フォン・ファブレ様、ご無事で何よりです。」

膝を着いて臣下の礼をするおっさんに見習って彼等も臣下の礼をした。

「え?あ、何だ、お前等?」

地に伏したマダオと禿げになって半狂乱な彼女達から意識を逸らしたのを見て、おっさんはニッコリと好印象を持たれる笑顔で

「はい、私達はマルクト皇帝陛下及びファブレ公爵夫人シュザンヌ様よりルーク様の護衛の任を承っております。」

7才児のルー君に解るように簡単に事の次第を説明する。

マルクトは皇帝が動いたが、キムラスカは国王ではなく公爵でもなく、公爵夫人が動いたけどねー!

今頃きっとキムラスカ王から女王に代わっていると思うよ?

ついでに公爵は離縁されて去勢もされてるんじゃないかなー?

だって愛人とウッハウハしてたもんね!

愛人のジョゼット嬢には可哀想だけど、おっさんはルー君が大事なのさ。

だから能無し公爵と一緒におなりよ!

御家再興は無理だろうけどな!

シュザンヌ夫人の名前で警戒心が解けたルー君に和気藹々と子供達が懐く。

ついでに嫁はおっさんを置いてルー君を可愛がっていた。

クールビューティを気取っているがツンデレ萌えとか可愛い物に目が無い残念美人はルー君はドストライクだったようだ。

おっさんもルー君と喋りたいよ。

でも会話に参加しようとしたら追い出された。

酷いよ、リグレット!!

ホンワカとした和やかムードもキンキンとしたガン切れの大罪人ティア・グランツの意味不な台詞でツンドラ地帯と変化する。

「ちょっとルーク!そいつ等は敵なのよ!どうして私達の心配をしないの!!」

ヒスっているティア・グランツに続くように

「そうですわ!キムラスカ王女であるわたくしにこんな屈辱を味合せた悪漢と一緒にいるなんてどういう事ですの!!」

ギャンギャンと吠えまくるナタリア。

チラっとラルゴを見るもラルゴの中では彼女は実子では無いようだ。

汚物を見るような蔑みの眼でナタリアを見るラルゴの心情はきっと赤の他人じゃないかしら?

「…和平妨害ですか…」

忌々しそうな表情(かお)で真面目に頓珍漢な事を言っているが、股間を押さえて地面に這い蹲っている姿は滑稽だとおっさんは思うよ?ネクロマンサー

「ルークどうしてお前は!やっぱり俺の育て方が悪かったんだな…」

こっちも悲劇のHERO(エロ)のように悲嘆に暮れてるがジェイド・カーティスと同じ格好では失笑しか湧かないと思うのよ。

「きっとコイツ等は信託の盾の仲間ですよぅ!」

禿げになってもブリ口調は直さないって凄いわぁ。

おっさんが女だった頃でも周囲にはブリが居たけど此処まで酷いのは居なかった!

「ルーク様、こっち」

さり気無くルー君を害虫から引き離すアリエッタ萌え。

そんなおっさんの腐った思考を読んだのか、嫁からハリセンでどつかれた。

脳天カチ割られるかと思ったわ。

キャンキャンと吠える馬鹿共におっさん達はロニール雪山も真っ青な絶対零度の視線で

「この一行で一番偉いのは親善大使のルーク様ですよ、ジェイド。そしてマルクトはキムラスカに和平を願い出た側です。キムラスカが和平をするかどうか判断しマルクトを評価する側であって逆では無い事に何故気付かないんでしょうか?しかもアクゼリュス救援部隊が何故マルクト側から出てないんですかね?キムラスカ任せって頭大丈夫ですか?しかも徒歩とはアクゼリュスの瘴気濃度がどれだけなのか報告されているでしょうに皆殺しにしたいんですね。」

ガッツリとジェイドを馬鹿にするディスト。

「それはオラクル兵が襲ってきたからですよ。」

洟垂れの分際でそんなことも解ってないのか?と頓珍漢な責任転換するジェイドに

「アクゼリュスの救援は急務だった筈ですよ。それに親書を届けるまでに時間はあった筈ですが?隠ぺいしたのですか?軍人以前に人間の屑ですね。そして軍人が民間人を盾にしているという事実に羞恥心が無いのも問題でしょうかね。臭痴心ならありそうですが…馬鹿な発言をする中年の加齢臭が漂ってきそうですので口を開かないで下さいね。」

猛毒を吐くディスト。

余程鬱憤が溜まっているのだろうか?

止めとばかりにクッシャクシャに握り潰された塵…じゃなかった書類をジェイド・カーティスに見せた。

軍籍・戸籍抹消、連座でカーティス家お取り潰に加えて肉親のネフリー女史とジェイド・カーティスの教育に携わった者達の処刑。

ついでに国家反逆罪で出頭命令という名の処刑命令が出されていた。

きちんと玉印を押されているので偽物だと声高々に言える筈がない。

「ピオニーが私を見捨てるなんて…」

有り得ないとばかりに打ちひしがれる眼鏡。

ディストは幼少期から溜まっていた鬱憤を晴らすかの如く追い打ちを掛けていた。

そんな横でアニスがシンクとアリエッタに責められている。

「すっごい疑問なんだけど和平妨害のスパイが堂々と親善大使一向に着いてきてるわけ?」

同行していると言わないシンクに

「アンタに関係ないでしょ!それに私がスパイだなんて言い掛かりはよしてよ!!」

完全に白を切るアニス。

「アニス、導師誘拐の助けをした…です。あとタルタロス襲撃の時も情報流したもん。」

アリエッタは不細工な人形を抱きしめアニスを責めた。

そんなアリエッタにアニスは怒り心頭に

「あれは和平の為にイオン様がキムラスカに行くことを希望したからだもん!私はスパイじゃないし!証拠も無いのに言いがかりするなんて酷ぉ〜い!」

これだから根暗っタはと文句を言いだした。

「何の為に導師のスケジュールが組まれていると思ってるのさ?アンタの頭はパチ玉しか入ってないのかい。そもそも導師がダアトを離れるには詠師会の承認を得る必要があるんだよ。それに外遊の時でさえ守護役を最低でも10名以上付くんだ。寝ずの番もせずに導師を見失い、オラクル兵に攫われたと騒ぎ立てて親善大使のルーク様に【ついでで良いから】と導師創捜索を依頼。これだけでも三親等の処刑対象物だよ。証拠はダアトとマルクトに送っておいたから安心しなよ。スパイの背徳行為は反逆罪だから楽に死ねると思わないことだね。」

淡々と罪と罰を説明するシンク。

そこに一切の同情はない。

「あ、シンク…忘れてるです。」

クイクイとシンクの服を引っ張るアリエッタに、あぁと何か気付いたシンクは唇を歪ませ

「アンタの両親は暴動で死んだから処刑はアンタ一人だったね。よく暴動を起こして誘拐した奴と仲良く出来るなんて凄い。僕には絶対に出来ない。死後、出会えるように今からローレライかユリアにでも祈っておいたら?」

侮蔑と嘲笑を滲ませた。

アリエッタは、もうアニスに興味が無いのかライガと戯れていた。

「自称ルーク様の親を気取っているゲイ・セシルだっけ?」

おっさん態とガイの神経を逆撫でする。

コイツ目障りなんだもん。

案の定ガイは挑発に乗ってくれたようで

「ゲイじゃないガイだ!それに俺は正真正銘ルークの親友で育て親なんだぞ!そうだろ?ルーク!!」

おっさんの欲しい言葉をくれた。

ルー君には害虫共の目障りな声が聞こえないように耳栓をしてあるのでいくらガイが叫ぼうとも聞こえない素敵仕様。

そんな事も知らないガイはルー君が無視したと勘違いし腹を立てている。

「おい、ルーク!どうして困っている人間を助けないんだ!?」

自分の都合の良い様にルー君を扱うガイの頭を踏み潰す。

グシャッと減り込んだガイに

「お前がルーク様の親友で育て親なんて認めない。おっさんはこれでも親だからね。おっさん達はバチカルから此処までの道中をず〜っと見てきたの。親友が貶められているのに庇わない奴が親友を名乗ってんじゃねー!」

憎しみを籠めてゴッスゴスと踏み潰す。

「それにな、親だっつーならルーク様を守ってやれよ。ルーク様は何も悪くないのに俺の育て方が悪かったんだ。ルーク、俺も一緒に謝ってやるからお前も謝れだぁ?質問したらそんな事も解らないと馬鹿にする事が親のする事か!!」

この童貞屑がっ!

おっさんの必殺技股間蹴りが炸裂!!

ついでに反逆王女の弓矢で浣腸して止めを刺してやるのは、おっさんの優しさだ!

まだまだ殺り足りないが、コイツよりも害悪がいるし今死んでもらったら困るので渋々おっさんは我慢した。

大取を飾るは世紀の大罪人ティア・グランツ。

やっぱりコイツは自分の犯した罪を理解していなかった。

「チョッとルーク!どうして私達を助けないのよっ!」

何処までも自己中なティア・グランツに嫁リグレットの拳が舞った。

彼女は譜銃の名手であるが、一番得意とするのは肉弾戦である。

シンクに体術の手解きをしたのも嫁さんだ!

空高く舞い上がるティア・グランツに容赦無く譜銃の的にする嫁さんは、相当ご立腹だったのだろう。

おっさん、般若な嫁は見たくない…

後ろで格好良いと賞賛する子供達よ、あんな凶暴にはならないで欲しい。

ズドンと落ちて来た身体をゲシっと体重を掛け踏み付けるリグレット。

反論すら煩わしいのだろう、確実に急所を踏み付け苦痛しか与えてないよ…

「ファブレ公爵家襲撃、ダアトからキムラスカへのテロ行為の主犯、譜歌による傷害罪、不法侵入罪、不敬罪、ファブレ子息誘拐、殺人未遂、殺人強要…あげたら切りが無いぐらいの罪状だな。ヴァン・グランツも出来損ないだったが、妹は更に屑だったらしい。」

正当過ぎるリグレットの評価に

「兄さんは出来損ないじゃないわ!それに私は立派な軍人よ!!」

痛みも忘れてキンキンと叫ぶティア・グランツ。

リグレットはピクリと眉を顰め

「ほぅ、ナイトメアが攻撃譜歌になる事を知ってファブレ家を襲撃したのだな。そしてファブレ子息を誘拐し、肉盾にし、殺人強要し、師匠気取りでいる事が立派な軍人か…」

ティア・グランツの胸元を締め上げ顔が変形するぐらいにタコ殴りした。

おっさん、一度だけされた事がある。

あれは、ピンクなお店に大人の付き合いで行ったのがバレた時だった。

三途の川が見えたよ…

「私は、ヴぁ…るぐ……ない…わ」

鼻血ブーしながら自己弁護するティア・グランツの往生際の悪さに嫁の不快指数がMAXゲージになっていくのが手に取るように解る。

「貴様が悪く無いなら世界中の罪人が善人になるわ!軍人として、人間として失格な魔物風情が人様に楯突くんじゃないよ!」

体術・上級譜術のコンボでHPがギリになるとヒールで回復しまたボコボコにするというエンドレス。

最早人間扱いされてないティア・グランツのプライドは嫁の暴力と暴言(正論)でバッキリと圧し折られたのであった。

こうして和平は中断になりルー君はキムラスカへ帰国した。

帰国したキムラスカはシュザンヌ女帝が君臨し、ルー君を苦しめたヴァンを含めた罪人達はティア・グランツを除いて処刑された。

ティア・グランツはパッセージリングを解除する為に利用され、途中捕獲されたアッシュは暗示を掛けられて滓らしく世界の為に散って逝ったのである。

おっさん達といえば、ルー君の護衛としてファブレ家に養って貰っていたりする。

たまに解放されたローレライがウザいけどドス黒いシュザンヌ夫人に握り潰されているのでかねがね平和である。


おしまい


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