くるみ割り人形 | ナノ




どうして?

何故?

私がヒロインなのに!

どうしてツナは私の手を取らないの?

私はボンゴレ10代目になるのに!

女神のように優しく慈悲を持って手を差し伸べてあげたのに、どうしてそんな女の手を取るの?

ツナは間違っているのよ!

今日の出来事をリボーンに相談した。

「リボーン…ツナが橘さんに騙されているみたいなの。ツナを助けてあげなくちゃ!」

リボーンは完全に私の虜なんだからきっと何とかしてくれる筈だもの!

案の定、リボーンは

「ツナが家に帰って来ないのはその橘って奴の所にいるからか…安心しろ。俺が何とかしてやるぞ。」

私の手を労わる様に握って不安を取り除いてくれる。

でも、不安は消えないの。

私は神様に愛された神の子なんだから大丈夫な筈。

しかし、橘ハルキと対峙した時、底知れぬ恐怖が沸いたのは確か。

物語は着実に原作通りに進んでいるにも関わらず、なのにツナは私よりも橘ハルキの手を取った。

何故?

頭脳も容姿も身体能力も全部私の方が優れているのに、あんな平凡な女の何処が良いの?

あぁ、橘ハルキに誑かされたのね。

私が救ってあげないと!

そう、これはきっとフラグなんだわ。

ツナ奪還の作戦を練らないと駄目ね。

私以外のイレギュラーなんて認めない!


<イレギュラー、果たしてそれはどちらの事を示すのでしょうね? 著者:語部少女>





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