このポジションは誰にも譲れない!
神様からのギフトを貰ったの。
最初は気紛れだと言ってたわ。
でも私には解るの。
神様に愛された私だから今この世界にいると云う事を!
容姿と身体能力、沢田綱吉の従姉妹として私が世界に存在するようにして貰ったわ。
いつの間にかツナのポジションを奪ってしまった事は、私がボンゴレ10代目に相応しいと世界が判断したからなのだと思う。
これは仕方の無いこと…
私はとても優しいからツナの居場所を作ってあげる。
「ねぇ、リボーン…ツナを迎えに行かなくちゃダメだと思うの。」
膝に乗せているリボーンを見れば溶けるような甘い眼で
「ほっとけ、どーせ誰かの家に泊まってんだろ。飽きたら帰ってくる。マリアは優し過ぎるぞ。」
ペチペチと小さな手で私の頬を叩いた。
「私は優しく無いわ。だって、本当はツナがボンゴレを継ぐ筈だったのでしょう?」
世界が判断したとは云えツナの居場所を奪ってしまった事については申し訳ないと思っているもの。
「それは違ぇぞ。ツナとお前どちらもボンゴレ10代目候補だったんだ。ダメツナには10代目の資質無しとしてお前が選ばれた。」
自信持てと握られた小さな手を私は握り返した。
そうね、私は世界に認められたボンゴレ10代目を背負う女だもの。
そろそろ彼等が私を向かえに来る時間だわ。
私は抱いていたリボーンを降ろし、鞄を手に取る。
「マリアー」
「10代目!!」
窓の外から元気に私を呼ぶ二人の声に
「隼人!武!おはよー」
ニッコリと笑顔で返事をした。
外では私を取り合ってる二人の会話が丸聞こえ。
ふふ、私は強く美しい世界のヒロインなの。
私は世界を統べるボンゴレ10世。
<愚かしい子。神の愛娘はあの子ですのよ。世界は砂の城のように脆く、そして音を立てずに徐々に崩れていっているのです。 著者:語部少女>
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