くるみ割り人形 | ナノ




ふっは!

あははははは!

神野の間抜け面が堪らなく面白かったよ。

お前みたいな奴がヒロインなんて笑わせるなっ!

京子と綱吉の居場所を奪った屑に同情なんて一欠けらも湧かないさ。

「ハルキさん、機嫌が良さそうだね。」

ギュっと腰に抱きついてくる綱吉の頭を優しく撫でる。

「ズルイよ、ツナ君!私もハルキちゃんをギュってしたい!」

背中から抱きついてくる京子にクスリと笑いが零れた。

パソコンを持って降りてきた骸が私達を見て

「おやまぁ、カルガモの親子みたいですねぇ。」

と素直な感想を宣った。

最初の刺々しさは何処にもない。

まぁ、そうなるように努力したんだけどね。

「何を言ってるんだい。君も立派な私の家族だろうに!」

と笑えば、キョトンとした顔で

「僕も、ですか?」

迷った子供みたいな仕草をした。

京子も綱吉も人の機微には聡い為、一旦私から離れて骸に突進する。

二人分の重さに耐え切れずに転んだ骸に

「「家族だよ!」」

満面の笑顔で家族宣言をした。

「因みに雲雀も家族だからね。」

丁度良くリビングを通り掛かった雲雀に対しても家族宣言をしておく。

君は群れるのが嫌いだけど孤独はもっと嫌いだからね。

表面上は凄く嫌そうな顔で

「群れるのは嫌いだよ。」

と言ってリビングにいる全員分の紅茶を用意し出した。

家族になるのが嫌いってわけではないんだね。

丁寧に入れられた紅茶を皆に配る雲雀。

「それにしても行き成りイタリアへ飛べって言われた時は困ったんだけど?」

並盛大好きな雲雀の言葉に

「ふふ、ごめんよ。その代わり面白い物が手に入っただろう?ザンザス達も雲雀と戦えて満足してたけどね。」

匣とリングの事を告げると

「まぁ、興味深い物だったけどね。イタリアにはいつ行くのさ?」

好奇心旺盛な雲雀の機嫌が良くなった。

ふふ、戦闘狂だからこそザンザス達の強さに惹かれたんだろうね。

「それは僕も気になります。あの馬鹿女に暴露しましたしね。」

骸が大空戦の茶番で私達の情報の一部を暴露した事を思い出しクツリと嗤った。

「そうだね、あと一週間後かな。それまでに匣とリングの使用方法の修行をしないと、ね。」

束の間の一家団欒になるね。

だってこれから神野達は未来へ逝くのだから!

あぁ、終焉がそこまで来てるんだよ。

ふふ、破滅か?絶望か?

カウントダウンは始まっている事に彼女達は気付いているかしら?


<どこまでもお仕事が早いですね。流石一流と呼ばれただけありますわ。あぁ、彼女が語部少女であったならまた別の未来だったかもしれませんが…どんな結末が待っているのでしょう? 著者:語部少女>





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