特典を使ったからといって本気のザンザスに勝てると思ってるのかしら?
にしても演技達者だね、ザンザス。
片膝付きながらボロ負けしましたって!
プライドの高い君がそこまでしてくれるとは思わなかったよ。
「わ、笑っちゃダメだって解ってるけど…ぷっ」
「ツナ、君…」
横で肩を震わせて笑う京子と綱吉。
気持ちは解るけどね、睨まれているよ。
「ねぇ、ザンザス…9台目は貴方を愛していたわ。もう、こんな無益な争いは止めたいの!!」
神野の言葉にウッザと嫌悪を示すヴァリアー陣営+京子と綱吉達。
突き刺さるような殺気と憎悪に気付かない神野に私は嘲笑った。
「ザンザス、貴方の気持ちが私には解る。愛して欲しい、認めて欲しいんでしょ?」
おっとー何て的外れなんだコイツ!
と思ったのは致し方ない。
唯でさえ気の短いザンザスに対して言ったら切れるじゃん。
「私ならザンザスを受け止めてあげる。」
だから、とザンザスに手を伸ばした神野に対し
「ザンザス、茶番はもう良いよ。そんな屑リングくれてやれば?」
GOサインを出せば
「遅いぞドカス!」
悠然と立ち上がりボンゴレリングを纏めて神野に放り投げた。
憤怒の炎を神野に放とうとする前に
「ザンザス、撤退だよ。」
有無を言わさず止めに入る。
「あ、アンタ何者よ!!」
神野にしては突然の乱入者なのだろう。
私はニヤリと嘲笑って
「おや、まだ解らないかい?それとも解りたくないかな?」
フードを取ってやる。
「橘ハルキっ!」
その醜く歪む顔が見たかったんだよね。
ふふ、性悪?
当然だろう!
「な、何でアンタが此処にいるのよっ!」
ギャーギャー喚く神野達に
「おや?一応形だけでもボンゴレの次期10代目としてガチンコしてあげたんだよ。まぁ、ヴァリアーは私が頂くけどさ。」
ザンザスの隣に立った。
綱吉達も私の後ろに控えている。
「はぁ?ヴァリアーはボンゴレなのよ!冗談も程々にしてよっ」
夢見がちなお姫様に
「初めまして、ボンゴレ10代目候補さん。私はポヴェダファミリーのドンナのカンタビレよ。ヴァリアーはボンゴレから離れ私の暗殺部隊ヴィヴァとして活躍して貰う事になっているの。あぁ、全ての手続きは完了しているから、ねぇ。」
ニッコリと嗤う。
呆然とする馬鹿共を尻目に私達は家に帰った。
綱吉達のお披露目はまた今度にしましょうね。
その方がきっと楽しいでしょう?
<勝利を確信し持ち上げて落とす。アノ顔は最高傑作でしたわ!ふふ、まだまだ爆弾が用意されているようですのね。あぁ、絶望に歪む顔が早く見てみたいの。元・語部少女の逆鱗に触れた貴女はそう簡単に逝かせて貰えないでしょうね? 著者:語部少女>
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