シレネ | ナノ




縁を結ぶ事から始めましょう。


ぶっちゃけ面倒臭い。

神野を有頂天にさせて叩き落とすのは良いけど速攻で終わるよ。

てーか、そんな事したら天罰と称して理不神から無理難題を押し付けられるに決まっている。

あぁ、嫌だ。

神野の逆ハー補正に掛かっている彼等を見てふと違和感を感じた。

「(理不神、補正切れ掛かってる奴がいるんだけど?)」

どっかでニヤニヤと見ているだろう理不神に問うと

《あー稀にいるんだよな。補正も一回解けたら元に掛からないしよ。適当に頑張れや。》

超適当に返事をされた。

速攻で理不神を呼ぶが無視される始末。

マジで好い加減だな。



機会とは作るものである。

演出?

無論したとも!

恥を忍んでな。

「Ave Maria, gratia plena,

Dominus tecum,

benedicta tu in mulieribus,

et benedictus fructus ventris tui Jesus.

Sancta Maria mater Dei,

ora pro nobis peccatoribus,

nunc, et in hora mortis nostrae.」

ラテン語で歌いましたとも!

本当は英語で歌う予定だったんだけどね、理不神が文句を言いまして仕方なくさ。

場所?

あぁ、手入れされている園芸部の花壇の前だよ。

最近は縁作りの為に私が花の世話をしているんだけどね。

ぶっちゃけ花って神の顕花なんだよ。

人を気に入れば守護の力を与えるし、穢れだって受けやすい。

だからこそ時折ではあるが清めるのだ。

その方法は様々である。

その中の一つに唄がある。

理不神的シチュエーションとして花壇の前で唄を歌えと云う事らしい。

だから彼から見れば清浄に整った空気。

逆ハー補正と現実との歪みから開放される空間。

身に纏う理不神の神気が加われば、見た目が平凡だとしても気にせずにはいられない。

だって唯一の救いになるのだから!

「ハルキ。」

ニコニコと依存しながら隣に居る幸村に

「幸村、顔色が優れないね。大丈夫かい?」

上辺だけの心配を述べた。

ゴロゴロと飼い猫のように大人しい幸村の頭を撫でて、ストーカーのようにこの(鬱陶しい)状況をニヤニヤと見ている理不神を心の底から罵る。

奴はどうせ気に入らなかったら私ごと消して新しい人形を世界に投入するのだろう。

ならば派手なシナリオの上で踊ってやろうではないか!



<結ばれた縁がどう運命に彩(いろ)をつけるのでしょうね?ふふふ、恋はするものではなく堕ちるモノでしてよ。意図的であれ少年の心は堕ちたのです。 著者:語部少女>





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