シレネ | ナノ




しろ





シロ


私の世界です。


ハルキです、こんにちは。

今ですか?

夢の中ですよ。

目の前にいる奴ですか?

えぇ、事の元凶である理不神です。

《意識飛ばしてるのも良いけど仕事だよ、ハルキちゃん。》

ニヤニヤと笑う理不神に

「ウザイっすね。」

と吐き捨ててやれば、業とらしくヨヨヨと泣き崩れ

《ハルキちゃん、酷いよ!僕はこんなにも君を愛しているのにー》

と戯言を抜かした。

マジウザイ。

死ねよ、お前!

と思ってても更にウザくなるので何も言わない。

面倒臭いじゃないか!

「で?神野マリアでしたっけ?次の観察対象は…ハッキリ言ってアレはダメでしょう。及第点にも及ばないぐらいにダメ過ぎる。頭の悪いトリッパーを送り込むのは止めて欲しいんですけど?」

本当にアレはダメだ。

何をどう観察して語れって?

今まで前世で散々語部をしたけどアレほどダメな奴はいない。

ランクが低過ぎる。

事の展開が読め過ぎた。

ハッキリ言って三日あれば神野マリアを潰すなんて事は容易いのだ。

《僕もそー思った。もう一人ぐらい送る?》

そーだった。

てめぇは、そう云う奴だった。

聞いた私が馬鹿だったよ。

「やったら仕事放棄するからね。」

理不神によって狂った者や壊れた者を何度も見てきた。

己が望んで世界に来て絶望するには別に構いはしないが、理不神の身勝手によって絶望されたら寝覚めが悪くなるじゃないか!

直ぐに忘れてしますけどさ。

《えー、じゃあオレが愉しめる舞台にしろよ?》

ニッコリと理不神の口端が孤を描く。

あぁ、厄介だなと思いつつももう一人打ち込んで貰った方が良かったかもしれないと私は後悔した。

だって理不神がオレって言うと滑稽で愉しい劇じゃないと満足しないんだよねぇ。

可哀想に神野マリア。

お前の運命が決まった瞬間だね。

おめでとう!



<こうして運命と云う道筋は決まって往くのです。 著者:語部少女>





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