シレネ | ナノ




何ちゃって傍観者なのだよ、私は。


テニスの王子様と云うイケメン男子が格闘テニスをする熱血漫画の中で(強制的に)生活してます。

私ですか?

元・語部少女で現在、傍観される側の人間になった橘ハルキです。

あぁ、別にヒロインとかではありませんよ。

そんな面倒臭いフラグは全力で圧し折ります。

こう見えて得意なんですフラグ折り。

っと、話がズレましたね。

そう、そうなんです。

理不神(りふじん=理不尽)の命令によりAliceを監視させて頂いてます。

一言で言えば何じゃありゃ?

どんだけ痛いねん!

理不神からAliceの粗方のプロフは聞いてたけど実際に眼にするとキツイな。

整形美人になったは良いが、作り笑顔が下手糞過ぎて三流女優以下省略。

天然キャラを目指してるのだろうけど、尽くお笑い芸人が滑ったキャラに成り果てている事に気付いて無い彼女。

真に残念である。

しかし私は優等生キャラなので真面目に大人しく教室で過ごしていた。

「橘ちゃん、英語教えてー」

泣き付いてくるクラスメイトA…失礼、野々宮ゆい。

「ゆいちゃん、またですか…」

正統派美少女な彼女はミス立海に選ばれたのだよ。

性格も良く、頭も英語を抜かせば良いし、運動神経も悪くない。

総じて彼女こそヒロインだと思うのだ。

「うっ、だって、これでも一生懸命頑張ったんだよ!でも、間違ってるってー」

エグエグとプリントを握り締めて泣き出したゆいちゃんの頭を撫でながら

「はいはい、じゃあ今日の放課後に教えてあげますね。」

私は思った。

彼女みたいなキャラこそ王道のヒロインだと思うのだが、何だってAlice(あれ)がヒロインになってんだか甚だ疑問である。

まぁ、理不神より何らかの指示があるまで待ちましょう。

精々その立場を満喫して下さいね。


<動き出した世界の中心が彼女だと織(し)るが故に掌で踊らされているのを承知で躍る道化。 著者:語部少女>




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