罪シリーズ | ナノ




神の島。

久高島の北東のはずれ一帯は神屋原(カペール)と呼ばれ古代の神道の数々を残す故に神の島と歌われる。



那覇市にある旅館の一室で、私と闇己は今回の依頼者と会うことになった。

その旅館で神事の段取り等を詳しく説明して貰い、また奥殿にある道場にて手順を覚えなくてはならない。

こうして二日が経過したが疑問が湧き上がってきた。

先ず神事となれば段取りも複雑になる。

また時間が少ないとは云え、複雑な手順を覚えるのに最低一週間は必要だ。

最低一週間とは熟練した巫覡に適用されるものであって、私のような未熟な巫覡ではもっと時間が必要となる。

確かに略式で神事を行う事もあるだろうが、秘祭とされている神事を略式するには余りにも無謀だ。

その地に降ろす神の怒りを買ってしまっても何ら不思議はない。

闇己より巫覡としての手解きを受けているから布椎流の神事の手順は理解出来る。

応用するにしても何処か違和感を感じずにはいられなかった。

そしてもう一つの要因は、視る事が出来ない。

否、視えるのだが…鮮明ではなく、レンズ越しにと謂えば良いのだろうか…あやふやなのだ。

無理矢理能力を押し付けられているような気がしなくはない。

明日からは神屋原(カペール)へ向わなければならなかった。

闇己に相談しておいた方が良いだろう。

神服から普段着に着替え闇己の部屋へ向った。




彼女が用意した罠で彼女自身が償いきれぬ罪に堕ちる。




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