騎士団員おいしい。 | ナノ


▼ 3 従騎士を食べる

羞恥を煽る言葉を浴びせながらも、俺の視線は若い従騎士の股間に注がれていた。
びしっと着込んだ黒い制服から、プルプルと艶めかしい肉棒がのぞく。

ああ、今すぐしゃぶりつきたい!
騎士が座るソファの上に乗り上げ、奴の太ももを挟み込むように膝立ちになった。

「何をする……っ」

顔をひきつらせる騎士を好奇の眼差しで見下ろす。
色素の薄い茶髪に、強い意志をうつす濃い青目。
まるで親の仇のごとく睨まれ、ぞくぞくが止まらない。

「その手に握ってるやつ、まだ全然萎えないな?」
「やめろ……触るなッ」
「隠すなよ、ピンク色ですっげえ可愛い。あんまり使ってないみたいだな」

からかうように笑みを向ける。
カッと赤くなった男は瞬時に俺の腕を掴み上げ、口を素早く動かし始めた。
詠唱か、ベリアスと同じだ。この騎士団の団員達は魔法が標準装備らしい。

早めに対抗処置を取らねば、せっかくの食事にありつけなくなってしまう。
今こそ本気を出すことにする。角と尾を出現させ、ついでに全裸になる。

一瞬怯んだ騎士の隙をつき、額を覆うように掴むと、動作に制限を課す術式を組んだ。

「なッ……はな、せ!」

抵抗も虚しく騎士の体がガクっと下に落ちる。
その間にさっと奴の制服をたくし上げ、腹筋チェックを行う。

均整のとれた6パック。素晴らしい!
腹の割れ具合とチンポの色・形は俺の中で最重要事項となる。
つまりすでに満足である。

男は呼吸を乱しながら顔を上げた。俺とは真逆の苦痛に歪んだ表情だ。

「お前、俺を脅すつもりだろう……!」
「は? なんの事だ。俺はお前を食べるつもりだが」

男は目を丸くする。
そうか。オナってたことを告げ口されると思って、震えてたようだ。

脅迫、誘惑、欺瞞は悪魔の専売特許だというのに、すっかり頭から抜け落ちていた。
長年俺は兄上の性奴隷だった身なので、魔族としての常識に欠けていてもしょうがない。

「……淫魔。お前の、それは……なんだ?」

男が震える声で尋ねた。視線は俺の下腹部へと向かっている。
ああ、どうやらこれが気になるらしい。

「淫紋だよ。ベリアスがつけてくれたんだ、綺麗だろ?」

腰を揺らし、わざと印を見せつける。
騎士は動揺を見せながらも釘付けになっている。

「団長は、お前と……そういう事をしたのか」
「そういう事ってなに、セックスのこと言ってんの?」

騎士は顔をそむけ、赤らんだ横顔を見せた。
シャツを握りしめ自慰をしていた奴が純朴ぶっている。

だがこういうタイプも中々良い。体はそこまで分厚くはないが、きっちり頑強に鍛えられている。
何より若い人間の雄だし、経験が浅そうなとこもそそる。
いいぞ、燃えてきた! 

「したに決まってんだろ。もう毎日やりまくってるよ。なあ知ってるか、あいつのアレってデカくて……すげえ美味いんだ」

半分嘘をついた。毎日は単なる希望だ。
だが騎士には確実に効いている。

わなわなと体を震わせ、憎悪の眼差しを向けてくる。
けれど俺は気付いていた、股間の下でさらに怒張しつつある、奴のブツに。

「なあ、ここだよ……この中に、あいつが何回も入って出て、俺、よがりまくったんだ」

腰を浮かし、焦らすように秘部を晒す。
この男は団長をチラつかせると興奮する変態だ。利用しない手はない。

俺自身、その時のことを思い出すと自然と口が半開きになり、だらけてしまう。
あれ一回きりであおずけを食らってることが、腹立たしくてしょうがない。

だからコイツを食べる。
己の快楽第一の悪魔にとって、人間の気持ちなどどうでもいいのだ。

「団長が……そこに……」

男の目の色が変わりだした。
俺の下半身を凝視し、顔を上気させ、ふーふー言い出している。
おっ? もしや興味が出てきたのかな。

今すぐ襲い、食らってもいいが、ふと不安が過る。
ベリアスの淫紋だ。入れたとたんに俺に罰則が下るなんてことは考えたくない。

けれど美味そうな騎士を前にして、我慢するのは困難だ。
一か八かに賭けるか。

「そうだ。お前も味わってみるか?」

後ろ手に尻をほぐすと、術のせいですでにぐちょぐちょと水音が滴る。
騎士はごくりと喉を鳴らす。
にじみ出る嫌悪と興奮の目つきーーこいつもやりたいに違いない。

黒い制服のズボンからいきり立つ騎士の逸物を、迷うことなく迎え入れた。

ずぷっ、ぬぷっ

「……は、あっ」

うん、どうやら交接は上手くいった。
そして、すごく……良い具合だ。

「あっあっ、アァッ、いい、お前の気持ちいいっ」

腰を前後に振りまくり、思いのままに貪り食う。
何日かぶりの精気にありつけるのだ。テンションが上がって仕方がない。

「……く、あッ」

騎士は耐えていた。だが段々と表情がだらしなく緩んでくる。
それはそうだ。俺の腰つきと締め付けに平静でいられるはずがない。

「あ、あぁ、やめろ、嫌だ、もう、ぁッ、で、るッ」

声を張り上げた後、俺の中にズボズボと挿入を繰り返していた肉棒が、激しく痙攣した。

「ああぁぁぁッッ!!」

騎士が果てるのは早かった。耳をつんざくような喘ぎも騎士のものだ。
中に浸透してくる精液をじわりと感じ取る。

久々の食事、若い男の精気はあっさりして喉ごしがいい。
でもちょっと、いやかなり物足りない。
俺が良すぎたせいかもしれないが、騎士はとんだ早漏だった!

「はぁ、はぁ、はぁ」

騎士はうつむいたまま、息を切らしていた。
俺と視線を合わせようとしない。

「どうした? 恥ずかしいのか。可愛いやつだな」
「うるさい……ッ」
「そう照れんなよ。お前の味、中々美味かったぞ。けどこれで終わりじゃないよな? 俺はまだイッてない、さあもう一発だ」
「ぅ、あ……! やめ、うご、くな……ッ」

嫌だ嫌だと言いながら、再び硬さを保ち始める。
やっぱり若い男はいい。ちょっと刺激を与えれば、すぐ回復してくる。

「んん? ほら、お前のまた暴れたいって言ってるぞ。そんなに俺の中気持ちよかった?」
「はぁ……はぁ……なんでお前……なんかに……ああ、あ、団長」
「俺はお前の団長じゃない。ルニアだ。呼んでみろ」
「……だま、れッ」

本当は快感にやられているくせに、騎士は熱のこもった目で俺を睨みつける。
その姿に惹かれ、奴の髪に触れようと手を伸ばした。
すると突然腰をがしっと掴んできた。
同時に下から勢いよく突き上げられる。

「ああぁぁッ」

俺は思わず背中を仰け反らせ、足に力を入れて倒れないように踏ん張った。

「あ、あぁッ、そうだッ、もっと、もっとだ!」

肩にしがみつき、猛烈な突き上げを受け止める。
さっきまでの抵抗が嘘のように、従騎士は情欲滾る若いオスへと変貌を遂げた。

「くそッ、悪魔め、なぜ団長がお前なんかを……ッ、俺は、ベリアス様に何年もお仕えして、いつも側にいて、あの人だけを想っていたのに……!」

俺の肉体越しに、団長への思いの丈をぶちまけている。
このシチュエーション、すっごい興奮する。
そのまま何度も揺さぶられ、若い従騎士の歪んだ欲望のはけ口となった。

「あ、うあぁッ、すげえ! おまえっ、なんて名前だ……ッ、教えろよっ」
「そんな事を知ってどうするッ」

より激しく穿たれ、がくがくと腰を動かしながら気持ちよさに絶叫する。

「くそ! 俺は……ミラトだ、覚えておけ、お前なんか、大嫌いだ、ルニアッ!」

憎しみと快楽の狭間で騎士の顔がめちゃくちゃになっている。

こいつ、可愛い!
今まで接したことのないタイプだ。ぜひ俺に溺れさせてみたい!


しかし。
ほんわかとした気分に水を差す出来事が起こった。
いや、正直に言うと、淫魔にとっては心震える展開かもしれない。

「おい。誰かいんのか? 団長は……まだ会合から戻らないはずだが」

その低いドスの効いた声は、扉が開く音と同時に聞こえてきた。
予期せぬ事態にも悪魔は慌てない。俺たちの痴態が見つかったところで、罪悪感の欠片も生まれないからだ。

一方、俺の上で腰を振っていたミラトは、怯えた顔で固まっていた。

俺は瞬時に起き上がり、機転をきかせ、奴をソファに押し倒す。
こいつは俺が嫌いだろうが、俺は気に入った。

「怖がるな、ミラト。俺に任せろ」

小声でにやりと告げ、近づいてくる新たな騎士を見やる。
男は室内の異様な光景に気がついたのだろう。
動きをぴたりと止め、後続の騎士らしき者たちに「外に出ていろ」と命じた。

部屋の奥に入ってきた騎士に、ばっちり繋がっているとこを見られた。
この男、かなりの巨体だ。太い首に長い手足、全てががっちり逞しい。

「……おいおい、てめえら団長の執務室で何てことしてんだよ。正気か?」

責める口調だが、目元がにやついている。
嫌悪よりも面白がっている様子だ。これまた軽薄そうな野郎。

うん。身勝手なプレイしそうでたまらない!

ああ、兄上。この騎士団は次から次へと美味しそうな獲物がやって来る。
俺はどうしたらいいのでしょう? 全部食べちゃって良いですよね?

「そうだよ、今二人で楽しんでんだ。なあ。あんたも混ざらねえか?」

思いきり挑発めいた口調で言ってやった。



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