彼女のお兄さんに狙われた
レオナちゃんと付き合い始めて半年。キスもまだの初々しい関係だがラブラブな高校生の俺達は、この夜もパソコンでビデオ通話をしていた。
「あっ、お風呂入ってこよー。カイ君、もうやめちゃう?」
「ううん、出るまで待ってるよ。レオナちゃんも体隅々まで洗うんだよ、一人でえっちなことしちゃだめだからね!」
「もうオヤジくさい〜本気で怒るよ
」
ぷりぷりのお尻を見せて振り返った彼女は、画面の端でウインクをして姿を消した。
ああー…俺の彼女かわいすぎる。まだHは出来ていないが学年でもとびきり美人で優しくて、スタイルも抜群で格闘技も強くて、本当になんで平凡な自分が付き合えてるのか不思議でたまらない。
「はあ、はあ、やべえ興奮してきた」
通話の後でオナるのが日課だったが一日二発は余裕だし、今のうちに抜いてしまおうか。そう思って半目で天井を見ながら椅子にもたれかかり、しごき始めた。
没頭していると、画面に人影が映りこむ。
やべえ、もう帰ってきたとパニくった俺はそれが彼女ではなく金髪の柄悪そうな青年だったことに驚愕し立ち上がってしまった。
「ああぁあッ」
「ーー誰だてめえ。おい。画面がお前の精液まみれだぞ」
スピーカーから聞こえてきた低い地声。びっくりし過ぎて不意打ちで盛大に射精してしまった。カメラを急いで拭く。
「あの? あなたこそ誰ですか、いきなり」
「この家の長男だ。ソリティアやろうと思ったらお前がいたんだよ」
背もたれにどさっと寄りかかり、腕組みをして眺めてくる。ピアスしまくりのムキムキ金髪不良イケメンだ。そういえば彼女のおうちは格闘一家で確か三人兄がいたはずだと思い出した。
リビングで家族用のパソコンを使ってたことから恥ずかしい事故が起こってしまったらしい。
「お兄様でしたか! 初めてお目にかかります。レオナさんと同じクラスで彼氏のカイと申します!」
「ほお。それはいいんだけどよ、お前はちんこ出したまま女の兄貴に挨拶すんのか?」
だるそうに頬杖をつきニヤニヤされて、羞恥を感じた俺はすぐに「ひ!すみません!」と座って下半身を直した。
しかし彼はとくに不快な顔も見せず、面白がっている風だ。平凡な外見の自分が学校でよくヤンキーに絡まれる場面が過る。
嫌な予感は当たった。想像よりもぶっとんでいた彼女の兄に、なんと笑いながら「続けろよ」と促される。俺は汗だらだらで愛想笑いをした。
「えっ……二回目はちょっと……このあとも出す予定なんで…」
「お前、こんなにぶちまけておいてまだやるつもりか? 若いねえ」
タバコを吸い始めて居座りそうだったヤンキーに、俺は申し訳ありません!と謝罪して逃亡することにした。
ぶちっと通話画面を切り、あとで彼女にも謝りのメールをすることに決める。
ああ怖かった。でもあのお兄さん、まさかこのこと、内緒にしといてくれるよな。
しかし悪夢は続いた。なんと次のビデオ通話の時も、恐ろしいことが起きたのだ。
愛するレオナちゃんがお風呂に向かった途端、あの男が現れた。
「ちょっ、お兄さん、なんなんすか。俺のストーカーですか? 怖いんでやめてください」
「怯えんなよ。俺は優しいだろう? お前のきめえ痴漢行為についてまだ告発してねえんだからよ。ーー分かったらやれよ、ほら」
「……えっ? なにをですか」
「オナニーだよ、オナニー。オラしごけ、俺を楽しませろ」
今度はストリップ劇場にいる酔ったおっさんのごとく不良の男が瓶ビール片手に煽ってくる。
俺は唖然としながらも懸命に歯向かった。
「あのう、あなたやっぱりホモなんですか? それは別にいいんですが家族が悲しみますよ、こんなか弱い俺みたいな高校生を脅したりして。そんなイケメンの面でどうせモテるんでしょうからやめたほうがーー」
「ああ俺はモテるが両刀でこれは暇潰しだ。やるのか、やらねえのか? あいつに言うぞ?」
「やりますよ!!」
涙をこらえて立ち上がり、無心でしごき出す。画面に映る不良の笑みが実に憎たらしいものの、まだ高校生だからちょんと触っただけですぐに勃ってしまう。
「う、ううっ、……お兄さん、ぐぅ! まだ、来ませんか? 大丈夫ですかっ?」
「誰も来ねえよ。来たらすぐ閉じてやるから心配すんな」
なぜか優しく言われて一瞬ほだされそうになるが集中して行為に及んだ。
「お兄さんいきます、もういくっ、いくぅ!」
「おーイけ。壊れるからティッシュに出せよ」
冷静に助言された瞬間なぜかちんぽの先っぽに快感が走りイッてしまった。
がくんと腰が落ち浮気のような罪悪感に苛まれる。
「はっはっは! マジでイキやがった。サイズは発展途上だが中々エロかったぜ、カイ君よ。きちんと拭けたか? お兄さんに見せてみな」
「……あのなあ! ちゃんと綺麗にしましたし、そんなに笑うんなら、あなたのも見せてくださいよ、ねえ!」
屈辱にまみれながら俺は声を荒げた。このままで終われるか。ちんぽを出したところをスクショして脅してやる。
「あれえ? 偉ぶってるくせに粗チンだから見せられないんですね? あ〜格好わるいなぁ〜何十人もいそうな部下達が知ったら幻滅しますよねえきっと」
お兄さんの目がぎらりと光る。不良は面子をつぶす発言に切れやすいのだ。
彼は突然「おういいぜ」と言い立ち上がった。ラフな部屋着を下着ごと男らしくめくり、平常時とは思えぬほどの雄々しい逸物をさらけ出す。
敗けた。そのずる剥けデカチンには敗北感しかなかった。
だから俺は彼女に体を許してもらえないんだ。それどころか、男の前であんな風に達したりして。
「おい。何落ち込んでんだお前。安心しろよ、お前のちんこだって悪くねえ、俺は結構可愛いとーー」
「……んっ? お兄さん、うしろ、うしろ!」
彼が喋り始めた瞬間に背後にレオナちゃんが映り、俺は焦りまくって叫んだ。お兄さんのケツが画面を覆う。
「あれ? 何してるのお兄ちゃん。今私がそこ使いたいんだけど」
「あー、そうか。偶然お前の彼氏と知り合ってな、ちょっと喋ってただけだ。じゃあな」
素っ気ない態度で兄は手を振り、そのまま姿を消してしまった。一瞬だったが二人の空気はなんだかピリピリしていた風だった。
その後、俺はようやく彼女と通話を再開出来たのだが、彼のデカブツで頭がいっぱい状態になり、彼女の話はまるで頭に入ってこなかった。
◇
何度かそんな事が続き、やがて後ろ暗さから俺の彼女への態度もぎこちなくなっていった。間接的ではあるがお兄さんの合いの手によりイカされることが多くなり、女の子と色々したいという猿のような気持ちもあの不良男のゲスい罠に萎れさせられていった。
ある夕方、もうこんな不適切な関係はやめましょうと、俺はとうとう彼に懇願しに行った。レオナちゃんが習い事のボクシングジムにいる間に、勇気を出して豪邸のベルを鳴らす。
彼女から前もって聞いた通り、高校卒業後適当に働いているというお兄さんが寝起きの様子で現れた。俺は近所に見られることを危惧し、気だるそうにあくびする彼を押して家に上がり込んだ。
「てめえ、のこのこ俺の前に現れやがって。いい度胸してるじゃねえか」
だだっ広いが物が乱雑な自室で、お兄さんが凄んでくる。
実際の迫力に俺はしり込みした。まずめっちゃ背がでかい。一家揃って高身長スタイル抜群なのは想像ついたが、彼は妹をしのぐほどのものすごい色気をまとったイケメンだった。
「お兄さん、マジで格好いいですね。なんで不良なんかやってるんですか? ……ってそうじゃなくて、今日はお願いしに来たんです。もう通話で俺を弄ぶのやめてください! このままじゃ俺、女の子相手にちんぽ立たなくなっちゃいますよ!」
切実な願いを叫ぶ。実際に自慰しようとするとこの人の顔と煽りが浮かんできてしまい、それで勃起して射精にまで至る自分にも苦しんでいた。
しかし形の良い青い瞳は楽しそうに歪む。
「なるほどな、それは可哀想だ。じゃあお前を解放する代わりに俺に何を差し出せるんだ?」
「えっ? どういう意味ですか? なんで俺がさらにあなたに何かあげなきゃなんないんです、もうぴちぴち高校二年生のオナニー何回も見せてあげたんだからいいでしょう、強欲だなあ!」
どうせ画像も撮りまくりでシコってんでしょ変態!と勢いにまかせて罵ったが彼は「そういう卑怯なことはやってない」とあっけらかんとしていた。
終始飲まれないように吠えていた俺に、恐れていたことが起きる。彼はやはり淫らなことを要求してきた。しかし予想を裏切るものだ。
「裸で俺の上に乗れ。そのまま自分でやってみろ」
この人どんだけ男のオナが好きなんだよ。
引きながらもそれだけでいいのかと感覚が麻痺していた俺は言う通りにする。
ネクタイをつけたまま制服のシャツボタンを外し、彼の上に乗って恥ずかしながらも自身を握り上下に動かした。
「あっ、ああ、見ないで、見ないでお兄さんっ」
「お前ちょっとノッてんじゃねえか、そんなちんぽからやらしく涎だらだら垂らしやがってよ……ほらもっと腰触れ」
ぱんっと尻をはたかれ「んああっ」と感じてしまう。
確かに俺も異常だ。だがモデルのように美しく筋肉質な美形にベッドの上で見上げられていると、禁断の背徳感にぞくぞくした。
「ふうぅっ、出るっ、もう出ますっ、助けてえっ」
「いいぜ、こっち来いよ、ほらキスしてやるから」
「……えっ! ちょ、完全に脅してもらわなきゃ困るんですけど。これじゃただの浮気になっちゃうよ……!」
裸になったお兄さんの胸に引き倒され、腰を感じたことのない強さで抱かれてしまった。あっ、男にいいようにされるってこんな感じなんだと衝撃が走る。
「んっ、んう、ふ、ぁっ」
舌を見つけられて巧みに吸われ、あまりのテクに下半身が緩まる。こんなにも気持ちのよいものだとは。
「ばっバカですか、なんでこんなことするんだよ、俺の初キスだぞ!」
「……ははっ! マジか、お前あいつに何もやらせてもらってねえのか?」
甘い雰囲気が一転嬉しそうに小馬鹿にされ俺は憤って起き上がろうとした。
だが彼は離そうとせず、俺を抱いたままごろりと横に寝転がった。
上下が逆になり押し倒される形になる。
「離せ! あんたなんか嫌いだ! どうせ俺は童貞で意気地無しの変態だよ!」
「そんなことねえよ、俺にちゃんと文句言いに会いに来ただろ? お前は男らしい良い奴だよ。だからあんな女やめとけ、俺にしとけよ、なあ…」
詐欺みたいに甘い声と優しい顔で俺を見つめ、また唇を奪ってくる。なんなんだこの不良は。混乱しているとお兄さんは自分のズボンを下げ始めた。
硬くいきり立ったデカブツが俺のか弱いちんぽにこすりつけられる。阿鼻叫喚だったが彼はかまわず布団の中で俺を抱き締め、腰を揺らした。
「あっあっ変態っやめろおっ」
「……ばーか、お前も感じてんだろ…? 素直になれよ、カイ……」
突然甘ったるい感じで名前を呼ばれてどきりとする。
男にこんなことされても気持ちいいのは確かだった。この人もしかして、俺のこと普通に好きなんじゃ…。
考えてるうちに、二人とも結構早めに出てしまった。
腹の間がびちゃびちゃに大量の精液で濡れていき、俺は呆然とする。それなのにお兄さんは俺にやたらとベタベタしてきて機嫌が良さそうだ。
「俺もう帰ります。どうか一夜限りにしてくださーー」
「待て、まだ行くなよ。つれねえ奴だな」
強引にベッドに引き戻された瞬間だった。短い俺の人生の中で、最大の修羅場が起こる。
部屋の外から、ぺたぺたと人の足音がした。ぴたりと止まり、「お兄ちゃん…?」という静かな声が響く。
俺は心臓が止まりそうになり、彼と顔を見合わせた。だが隠れる間もなく、容赦なくドアが開け放たれた。
「おい。何やってんだよおめーら」
「……へっ? れ、レオナちゃ……」
金髪ポニーテールの美女がトレーニング服姿で仁王立ちになり、俺達をすごい形相で見下ろしてくる。
「ご、ごめんなさい! でもこれは違うんだ! えっと、そういうんじゃなくて、いや、誤解…でもないけどっ」
「てめえ、クソ兄貴。またやったな? 毎回毎回私の可愛がってる男に好みの奴がいたらちょっかい出してきやがって……ふざけんなよこの寝取りクズ野郎ッ!」
豹変した彼女は俺のことなど目もくれず兄を罵倒していた。
お兄さんはにやりと笑ったまま凍る俺を抱き寄せる。
「あーわりいわりい。お前と趣味がかぶっちまうみたいだわ。でもよ、毎回純朴少年飼い殺してれば奪われても仕方ないんじゃねえか? ましてや俺のように魅力的で精力的な男が相手ならな。なあカイ」
「…………えっ」
咄嗟に否定も肯定も出来ずにいると彼女の冷たい顔が向けられた。俺は懸命に弁解するが、裸でお兄さんの布団にくるまった姿はなんの説得力もなく彼女にも速攻で袖にされた。
「レオナちゃん、ま、待ってくれ!」
「黙れホモ野郎。ちんこにひれ伏しやがって。私は童貞以外興味ないんだ。男同士仲良くやってな。……あっ、お兄ちゃん。私のお下がりでよかったらあげるね。これからもたっぷり可愛がってあげてねー!」
血管を浮き上がらせた美人な彼女が満面の笑みで吐き捨て、ドアを暴力的に閉めていった。
「ち、ちが、俺まだ童貞だからー!!」
最後の叫びも空しく、俺と彼女の儚い恋人関係は終わりを告げた。
◇
それから一ヶ月。俺は性懲りもなく、涙を流しながらお兄さんのもとにいた。
「ううっ。一人ぼっちになっちゃったよ。お兄さんのせいですよ、責任取ってください」
「おう。だから取ってやるって言ってんだろ、俺のもんになれよ」
「……あんた浮気するんでしょう? 俺そういうの絶対嫌なんで!」
今までの経緯から遊び人らしい男に疑惑の目を向けると、彼は吸っていたタバコを灰皿でつぶし、俺に向き直る。頭を撫でられてうるっときた。
「しねえよ。付き合ったら相手一筋だぞ、俺は」
「……本当かなぁ。嘘っぽいよ……」
なぜか胸に恋人のように寄りかかっていたが、彼は突然俺の体を持ち上げベッドに押し倒した。
「まだ分からねえのか、俺の熱い思いが。じゃあケツ出して四つん這いになれ」
「は、はい」
条件反射的に制服を脱いだ俺は、彼のベッドの上で言う通りにした。
そう。独り身になった俺だが、この人でなしの不良とのただれた関係はまだ続いていた。
「あっ! んあっ! お兄さんっ! すごいぃっ!」
「おいそろそろそのお兄さんっての……まあいいや、ある意味興奮するか、お前しか呼んでねえしな。……気持ちいいか? ん? どんなもんだ。言ってみろ」
「はいっ、おっきいです、すっげえイイ気持ちですうぅ!」
突き出したお尻を持たれ、ガンガンに掘られる。どうしてこうなったのか正直分からないのだが、もはや遺伝的なものなのか俺は強引でちょっと悪そうな、そして俺の性をも丸ごとどっしり引き受けてくれる美形に弱いらしい。
「おお、もうイクだろお前、我慢すんな、イッちまえ。あ、イクとこはちゃんと俺に見せるんだぞ。そこの鏡に向かってな」
「……は、っはいいいぃっ」
上半身を羽交い締めにされて背面座位のまま中イキさせられる。ぴゅるぴゅると先端から液が飛び散り、俺はふぬけた声を出しながら彼の胸板にもたれかかった。
「はあ、はあ、もうお兄さん、変態すぎ……どんだけ俺の射精好きなんすか」
「ぶっちゃけすげえ好き。なんかお前かわいいんだよな、素直だしよ。ーーほら続きだ、口開けてお兄さんに舌吸わせろ」
ちんこをいじくりながら俺の口を心ゆくまでなぶる。結局その日も何回戦目と持ち込まれた。
不良の言葉をどこまで信じていいのか分からないが、俺はすでに重いぐらいに自分を可愛がってくれる彼の虜になってしまったのかもしれない。
唯一しこりになりそうだったのが元カノの存在だ。百パー俺達が悪いしあの時の姿も凄まじかったため、学校で会う度びくびくしていたのだが彼女は普通に俺に話しかけてきた。まるで友達に戻ったみたいに。
聞けば新しい彼氏が出来たらしく、今度は兄に邪魔されたくないから俺にしっかり捕まえててほしいと可愛らしくお願いされた。
「捕まってるのは完全に俺なんだけどな……ねえお兄さん。どうしてくれるんすか」
「……ああ? もう寝ろ。……足りねえんなら、また明日やってやるから。な……」
寝ぼけたまま俺の胸に腕をかぶせうつぶせで眠る男。
いざという時のために今のうちに裸体でも撮っておこうかと思ったものの、お兄さんは寝てる時すら腕力が強くまったく離してくれなかった。
この分なら俺も彼女も、なんとなくうまくいきそうな気がした。
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