▼ 10.5 SS 淫らに夢うつつ ※
「は、あぁっ、んぁ、うぁっ、ん、もう、抜けっ、ぁあッ」
何度も正常位で出された後、クレッドに無理やりうつ伏せにされ、その上に重い体を押し付けられた。ずしりと衝撃を受けた俺の尻に、再び奴のモノがずちゅずちゅと音を立てて挿入される。
「も、ああっ! ……お、お前……何回……やるんだよッ」
「何回でも、だ、兄貴っ」
「うぁっ、あぁ、い……やだ……ぁあっ」
「嫌じゃ……ないだろっ、こんなに、俺の、咥え込んでっ」
腰をがっしり掴んで、奥まで入ったことを確認すると、卑猥な音を響かせながら遠慮なく突き動かす。
「ああッ、ぅあっ、んうっ、あっ」
抵抗する間もなく何度も何度も攻められ、汗だくのままシーツを握り締めた。後ろから犯され、足に力が入らず、ガクガクと震える。
こいつの体力に俺がついていけるわけない。こいつがイク間に、俺はもうすでに数え切れないぐらいイかされている。
ああ、また、出しやがって。
最初は指で掻き出していた精液も、何度か出されるうちに、どうでも良くなってしまった。
正面を向かされ、足を開かされる。吐き出される度に溢れ出す、太ももを伝う精液を、弟のいやらしい舌に舐め取られていく。
「お、前……なんで……自分の、舐められんだよ」
はあはあと息を整えながら、その変態的行為を咎める。舌の動きをいったん止めたクレッドは唇をぺろりと舐め、俺の目をじっと見た。
「……だって、兄貴の中から出てきたものは、もう全部……兄貴のものだろ?」
欲情に駆られニヤリと笑う弟の表情に、ぞくっとする。太ももから付け根まで、ゆっくりと舌を動かしながら、同時にそっと口づけを落としていく。
「んっ…………俺のだから、いいって……いうのか」
「そうだ」
「へ、変態だ、お前はっ」
「こんなふうに……俺ので中を満たして、入りきらずに溢れ出ていくのが、たまらない……だけだ」
そう言って、不敵な表情を浮かべた。恥ずかしいこと、言うな……ッ。
浅い息を吐く濡れた口元が、妙に艶めかしい。ぼうっと快感の余韻に浸っていると、首筋にクレッドの柔らかい唇が押し当てられた。肌を強めに吸われ、思わず声を漏らしてしまう。
「んん……っ、ううっ……あぁっ」
しつこい舌と唇の攻めは終わらない。そこばかり気を取られていると、クレッドの手が俺の脇腹を撫でた。ビクッと体が震えると、再び硬くなった俺のモノに触れる。
首にキスをされている間、奴の腹にぐいぐい押し付けられ刺激を受けていたそこは、いつ射精してもおかしくないほど快感を集めていた。
「ああっ、んあっ、さ、触るなって」
少し弄られただけでまたイってしまうかもしれない。俺の言葉も聞かずに手で包み込まれ、上下にくちゅくちゅとしごかれる。
「あっ、あっ、ぅあっ」
「はぁ……兄貴、……もう一度……したい」
「……っは、あぁっ…………な、なに言ってんだ……もう、む、無理っ……」
何度耳にしたか分からない弟の非情な催促に、掴んだ腕の力をぎゅっと強める。いくら懇願したって、こいつが言うことを聞かないのは、もう知っている。
「……ん、あ、ああぁッ」
どれだけ俺に吐き出せば気が済むんだ。もう勘弁してくれ、俺の腹の中、お前のでいっぱいで、頭がおかしくなっちまうーー
「……………………!?」
暗転したと思ったら、自分の部屋にいた。何が起きたのか分からず、目を見開いたまま天井を見つめて固まる。
なに、これ……夢……?
俺、なんていう、夢見てんだ……弟とのあんな卑猥な夢を……。
隣を見るとロイザの姿がない。あ、そうだ昨日は一人でベッドに入ったんだ。よかったああああ。
けれど布団を剥がした俺は絶望した。よ、よくねえ……ぱ、パンツが……濡れてる……。
「………………ぁああああああ゛っ」
思わず変な声が体の奥底から出る。
おいおい、何ヶ月ぶりの夢精だよ笑わせんな。なんでよりによってあいつとヤってる夢で射精してんだよ俺は。
……いや待てよ、あれは夢じゃないのか? なんとなく、薄っすらと現実のような感覚がある。
もしかして、半分記憶が飛んでたあの夜のーー。
「は、はは……もう分かんねえ……」
乾いた笑いが部屋に響く。世界の終わり感が半端ない。
ベッド脇の小さな机に置いたままの、自作の媚薬に目をやった。……ああ、昨日あんなもん飲まなきゃ良かった。
寝る前に二回抜いたというのに、淫らな夢を見た挙句、夢精までするとは。
体が火照って、もう二度寝出来ねえ。くそっ。
パンツの中の精液を確認すると、何とも言えない気持ちになり、俺はがっくりと頭をうなだれた。
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