お父さんにお世話してもらう僕 | ナノ


▼ 閑話 お父さんにしてあげたいこと

あれから早速、僕は父の髪を洗うチャンスを得た。わざわざ洗面台の前に椅子を持ってきてもらい、父に寝そべってもらう。隣で車イスにスタンバイした僕は、一生懸命片手で洗い、リンスまでしてちゃんと水で流した。

「出来たぁ! どうお父さん、気持ちよかった?」
「ああ、よかったが……顔がびしょびしょだ」

頭を起こした父が指摘しながらタオルで拭い、眼鏡を装着したので僕は苦笑いする。

「ごめんね、初めてだから。今度はもっと上手くいくよ」
「まだやる気か。お風呂に一緒に入ってからじゃ駄目なのか?」
「だめだよ。それじゃ雰囲気出ないでしょう」

片付けをしながら説得をする。なんだか人の髪を洗ったという達成感よりも、僕は父に何かをしてあげたという、充実感みたいなものを感じていた。

いつもお世話になってばかりだから、色々段取りは必要なものの、僕もたまにはお世話できるんだよというところを見せたかったのかもしれない。

きっと父も分かってるから、僕にこうして優しく付き合ってくれるのだ。
しかし僕はそれからも、何か他のことで父のして欲しいことが出来ないかなぁと、ひとり考え始めていた。

率直に尋ねてみてもいいんだけど、たぶん「ないよ」って言われるか困らせるかもしれないから、自分で見つけようとした。だが意外と難しい。



ある晩僕は、父が夕食を作ってくれてる間、一人でソファに座りテレビを見ていた。そこで初めての番組を見つけ、画面に釘付けになる。
なぜならゲイの人達が恋愛模様を繰り広げる、リアリティー風ショーだったからだ。

『ねえマーク。好きな相手を落とすテクって、なんだと思う?』
『うーん、そりゃセックスじゃないかな。一番個性が出るもんだし』
『それは当たってるけど、まず初めに好きな相手を燃え上がらせるのは、キスなんだよね。セックスが上手い人間は結構いるけど、相手をしびれさせるキスが出来る男は、そう多くないだろう? 唇と唇をただ合わせるだけじゃない、快感をともなう口づけっていうのはたくさんのやり方があるんだよ』
『へー、すごいねジョー。僕にも試してみてよ』
『もちろんさ。さあ膝の上に座ってみて、子猫ちゃん』

そんな破廉恥な会話のあとで、ビーチに座る服がはだけた美男子の二人は熱烈なキスを始めてしまった。僕は衝撃を受け、目をかっちり開けたままリモコンを握りしめていた。

その時、ガチャリと居間の扉が開く。 

「ロシェ、肉の焼き加減どうする? いつもと同じでいいか?」
「わあぁぁ! ーーう、うん、いいよお父さん!」

焦りまくってチャンネルを回し、父に少し不審がられた。けど僕があの番組を見ていたことはバレていない。ああよかった。

それから夕食を食べているときも、あの絵面が頭をよぎる。あまり男同士のキスシーンも見たことなかったし、しかもディープキスだったなぁ。確かにあのリードしていた男の人は、キスが上手いっていうのかもしれない。

お父さんとは全然似てなかったけど。

「ロシェ。どうした。フォークが止まってるぞ」
「う、ううん。なんでもないよ」

時おり父と話すときもつい唇をちらちら見てしまい、様々な考えが勝手に巡ってしまった。




「そっかぁ。キスか……それならお父さんも喜んでくれるかな。でもどうやって練習したらいいんだろう…」

数日が経ち、自分の部屋でパソコンに向かいながら、たまに動画を見たりした。ネット上にある、映画のラブシーンなどだ。そうやって僕は少しずつこっそり勉強した。

こんなことしてないで本当の勉強しなきゃ、とは思うのだが、父に何かしたいという気持ちはやまず、僕はある日思いきって声をかけた。

また食卓で難しい顔をして新聞を読んでいた父に、わざわざソファに移ってもらう。そして僕も隣に腰を下ろした。

「お父さん、あのね。今から試したいことがあるんだけど、いい?」
「なんだ?」
「いいから目つぶって」
「……なにする? ロシェ」

なぜか父に警戒された僕は「変なことじゃないよ」と半分嘘をつき、なんとか言うことを聞いてもらった。
父の眼鏡をゆっくり外すと、肩がびくりとする。父の膝の上に麻痺したほうの手を乗せて、体もそっと預けると、自然と長い腕に支えられた。

そして少し背を伸ばして、父の唇にそっと口づけした。雰囲気が大事だから、落ち着いて何度か軽くキスをする。

「……したかったのか?」
「うん。でもね、まだ終わりじゃないの。ちょっと口開けてみて」

薄目を開けた父にバレてしまったので、素直にお願いしてみた。やっぱりまだ大人のような自然にこじ開けるやり方は、僕には出来ない。

「ん、……ちょっと、待て」
「……どうしたの?」
「わからん。なんか、どきどきする」

少し腰を引いていた父が手に力を入れ直し、僕を抱き抱える。しかしリードするのは僕のほうだ。薄くひらいた唇に舌をちょろっと這わせて、頑張ってキスを受け入れてもらおうとした。

二人の吐息が少し漏れるけど、いつものとろけるやつとは程遠く、ぎこちなさは抜けない。

「なあ、もういいんじゃないか。俺からしたらダメか」
「…だ、め…」

僕の力も足りなくなっていき、くたりとなりそうな頃だった。なんと父が僕を抱き抱えたまま、自分側の後ろに体を倒す。もう片方の手でソファのクッションを引っ張り、自らの頭の後ろに差し入れた。

「……これでいいな。来い、ロシェ」

胴の上に僕を寝そべらせて、やさしく抱き締めるように抱える。片肘をついて、珍しく間近で父を見下ろす形になった僕は、それからどんどん熱が上がってしまうようだった。

キスは真上からの体勢のほうがしやすくて、くちゅくちゅと父の口をはむ。下からも父が口を開けて、受け身で絡ませてくれるから、僕は自分のペースで深い口づけをすることができた。 

「んっ…んっ……お父さん、……気持ちいい?」
「いいよ。もっとしろ、そのまま…」
「う、ん…」

繰り返していると、徐々に限界が迫ってきた。快感のゲージがどんどんたまっていく感じだ。

「ロシェ、どうして今日は……こんな風にしてくれるんだ?」
「……んっ……だって……キスの練習してたの。お父さんのこと、僕も気持ちよくしたくて…」

理由を告げると、父の手が僕のわき腹をきゅっと掴む。それだけの動作でも、すでにしびれてしまった唇に続き、全身に刺激が伝う。

「ん、あ…」
「練習? なら俺としろよ」
「…や、あ……おと、うさん」
「する? ロシェ」
「……ん、っ……す、るぅ…っ」

観念して答えた瞬間だった。父の舌が僕の唇にもっと深く入ってくる。唾液の音と唇同士のやらしい音が響き、ちゅく、ちゅく、と吸われて僕のリードは完全に奪われた。

「ふ、ぅ、っん、む」
「……ロシェ」

興奮した様子の父が、腰をぐっと合わせる。僕も自然に下半身をぎゅうって押しつけてしまう。自分ではうまく腰を揺らせないでいると、父が僕のお尻を手のひらで包んだまま、下からゆさゆさ揺らしてくれた。

「は、あ…ん、ぁ……っあ……お父さん、おちんちんも、して…っ」

快感に抗えなくなった僕は父からの刺激をもっと望んでしまい、すると父も息づかいを浅くしながら二人のズボンをずり下げた。

居間でこんなこと、あまりしちゃいけないのに止められない。
僕は父の上に乗ったまま下半身がさらけ出され、大きく硬くなったぺニスが動くたび、断続的に擦られる快感によじってしまった。

「あ、ぁ、ん、ぅ、きもちいいよぉ」
「……っく、…っロシェ、」
「お父さん、お父さんっ」
「ああ、もっと、激しく、しような」

背中に強く腕を回され、大事に抱えながら腰を下から揺らしてくる。僕は父の広い胸に掴まり、あえぐ事しか出来なかったが、ふと父の瞳を見つめると顔が近づきキスを迫られた。

「んっ…ん、…っ」

唇も合わさって体と一緒にとろけそうになる。お父さんは中々離してくれなくて普通よりも熱っぽい口づけを与えられる。

「ねえ、…この前みたいなの、しなくていい…?」
「ん…?」
「お父さんの、おちんちん、僕の太ももでこするの…」

胸を上下させて父に尋ねた。一瞬動きを止められたけど、下にいる父は答えずに僕の唇をまた塞ぐ。しないのかな…?そう思いつつされるがままになっていると、今度は父の大きな手にさらりと髪を梳かれる。

「今日はこのまま、お前の顔見てしたい、いいだろ?」
「…ん、ぁ……ぅ、ん、いいよ」
「……じゃあ、もっと俺に掴まれ」
「あっ、ぁあ、ん…っ」

父が僕のお尻をじかに鷲掴む。優しく腰を押しつけて再び下から突くように動かした。ぺニス同士が合わさった状態で腰全体にも振動が伝わり、内側から気持ちが良くなる感じがする。

「あっあっだめだよっ、それぇっ」
「…これ好きか?」
「ぅ、ん、……あ、ぁ、好き…っ」
「……可愛いよ、ロシェ、…口も開けて」

揺すぶられてるのに父が甘い声で要求してきて、僕は言うことを聞いて唇を開く。するとすぐさま父の舌が入り込んできてキスが再開され、ぎゅっと体を両腕に抱きしめられながら口も下も気持ちよくされる。

「お父さん、ん、んぁ、ぃ、いく」
「いいぞ、いってごらん」
「ぃ、一緒に、イって、おねがい」
「……あぁ、そうしような、こうやって…イクぞ」

優しく囁かれるのと同時に、父に耳元にちゅっとキスをされた。敏感な僕の体はそれが起爆剤となり腰をびくんびくん跳ね上げさせてしまう。

「やっ、あ、ぁあ、ん、イッちゃう!」

おちんちんの先っぽからとろつくものが迸り、同時にお腹にまでくっつく父の大きなものが何度か脈打つのを感じた。大人のぺニスだから射精も長いし量も多くて肌がいっぱい濡れる。

「はぁ、…はあ……んあぁ…」

僕は今度こそ体力がなくなり、父の胸に抱かれたまま横たわった。

「お父さんの……いっぱい出た……」

いつもはすぐに拭かないとって焦るのに、あまりの気持ちよさと心地よさに、このまま上で休みたくなった。それはどうやら父も同じみたいだった。

「お前のせいだよ……ロシェ」

胸で息をつきながら、僕の背中をいとおしげにさする。抱っこされてるみたいで気持ちいいけど、僕は顔をあげた。

「ねえねえ、僕、キスうまくなったのかな」
「……ん?」

珍しくまだ夢見心地の父を見下ろし、尋ねてみる。今さら目的を思い出したけど、どうみても父の口づけの上手さを思い知らされただけのような気もする。

「キスか……まだまだだな」
「ええっ!」

あれだけ甘い雰囲気だったのに、まっすぐな厳しい父の言葉に狼狽えた。そんな。「上手だよ、ロシェ」とか笑顔で言ってくれると思ったのに…!

でも父の目論みは他にあったようだった。

「だから俺で練習しろ。付き合ってやるから」

そう言ってまた軽く僕の唇を奪ってくる。
僕はゆっくり首を左右に傾げた。

「お父さん、それ僕とたくさんキスしたいだけじゃないの」
「そうだよ。だが寝込みは襲うな」
「どうして?」

悪びれもせずに問いかけると、一瞬呆れた顔の父だったが、やがて僕のほっぺたをきゅっとつまむ。

「最初から味わいたいから。お前のキス」

そんな甘い言葉を最後に吐かれて、僕は依然として父の体にまたがったまま、大きく狼狽えることになった。



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