ギネヴィアの邸宅の裏門に辿り着いたアレンとリンクは多少乱れた呼吸を整える。
その呼吸とは別にアレンの心が悲鳴に軋む。
「…嘘だとは、言ってくれないんだよね」
きっと誰一人、否定を返してはくれまい。
映像を見せ終えたティムキャンピーは彼の肩に大人しく留まる。元気の無い憂えたような姿に、また心が嘆く。
整った呼吸を再び乱さないように大きく深呼吸をした。
「気付いたときにすぐ言って欲しかった」
君は一番先に気付いていたんじゃないのか、と付け足したが無言を貫くリンクは目を伏せただけだった。
「リンク、全部終わったら殴るからね」
「御自由に」
「普通拒否するところなんだけど」
眉間に皺を寄せて皮肉混じりに言っても嫌そうな顔はしない。
調子が狂うな…、と心中で呟くと屋敷を見渡す。
一階西側のガラスが割られている。そこが侵入経路らしい。きっとそこから神田とシーも入ったはずだ。
時間が無い。
二人は物音が立たないよう、細心の注意を払って飛び込んだ。
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墮天の黒翼