屋敷という言葉の相応しい古さの中に気品を隠す洋館。
それを見上げる影が一つ。
長い袖で直接目にすることは出来ないが、その手に握られた凶器から狂気が滲む。
最早その命はこの手に在るも同然。
エクソシストはこの切り裂きジャックに傷一つ付けられなかった。
何故あれ程にも弱い奴らの影に黒き羽根は舞うのだろう。
何故、認められないのだろう。
何故…、望まれる通りにしてきたのに…。
分からない。
幾度となく繰り返した疑問に応え、答えてくれる人間などいなかった。
だから、追い求めるのだ。
我らの刃と共に。
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墮天の黒翼