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朽ち葉が擦れる独特な音が静寂にのまれる。
死んだ木々の間から見えてきたものは、祭壇らしきものと、その両側に立つ冷たい体を控えめに着飾った二本の石柱。
その奥には小さな祠が此方を蔑むように佇んでいた。

「此処ですね」
『そうらしいな。…構えろ』

散った二人が元位置した地は抉られ、もうもうと土煙が巻き上がる。

[ふぅん、エクソシストか]
[楽しめそう…]
[どっちから遊ぶ?]

レベル3と2、ざっと見て二十体程が此方を捉える。

「『イノセンス発動』」

アレンは神ノ道化を纏い、襲いかかってきた3に斬撃を与える。

『戦りあう前に貴様に質問がある』
[質問?]
『老翁の前で誰かを殺したか?』

面前に立ちはだかったレベル3に問う。
そいつはニヤリと厭らしい笑みを浮かべて肯定の意を示した。

[一人だけいたなぁ、わざと逃がした奴。娘みたいなやつを八つ裂きにして、飛び散ったモノで〔贄ヲ差シ出セ〕って地面に書いたっけなー。でもやっぱあの時殺しときゃよかったよ]

ケタケタと下劣な笑いが木霊する

(所詮ゲイル氏も被害者か…)

[訊きたいことはそれだけかい?]
『あぁ。もう貴様等に問う必要は無い』

月精は祭壇にちらりと視線を向けると 破壊の旋律を風に乗せた。

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